2004 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント矯正を用いた大臼歯圧下による咬合変化に対する神経筋機構と顎骨の適応
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14571879
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 準二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (00005109)
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Keywords | 開咬症 / 大臼歯圧下 / インプラント矯正 / 矯正用アンカープレート / 神経筋機構 / 咬合接触 / 筋電図 / 下顎運動 |
Research Abstract |
私たちは、矯正用アンカープレートを利用して上下顎大臼歯の圧下を図るインプラント矯正治療システムを開発した.しかし,大臼歯の圧下は咬合平面のレベルを改変し,同時に上下顎歯列によって決定される咬合高径を変化させることから,咀嚼力や閉口筋の筋活動性あるいは顎関節への負担など咀嚼系機能へ重大な影響を及ぼす可能性が懸念される.そこで,本研究の目的は,前歯部開咬を示す不正咬合患者に対して,矯正用アンカープレートを固定源とする大臼歯の圧下を図り,咬合状態の経時的変化とそれに伴う咬合高径ならびに顎骨形態の変化や神経筋機構の反応を検討することである. 研究対象は,前歯部開咬を主訴とする不正咬合患者の中で大臼歯の圧下を行うために,矯正用アンカープレートの埋入手術を局所麻酔下に施行し,それに続くマルチブラケット法を用いた歯列矯正治療を行うことに同意を得られたものである. 研究方法は,矯正用アンカープレートを利用して歯列矯正治療を進めながら、臨床的に咬合状態を評価した.次に,頭部X線規格写真を撮影して、治療前後の顎骨および歯槽骨の形態変化について検討した.さらに、デンタルプレスケールを用いた咬合接触検査,ATPを用いた咀嚼能率検査,MKGを用いた下顎運動解析検査,咬筋・側頭筋・顎二腹筋における筋電図検査を行い,治療前後の顎口腔機能の変化について検討した. その結果,インプラント矯正により前歯部開咬は改善された.形態的評価では、治療後に大臼歯の圧下と下顎骨の反時計回り回転と前顔面高の減少を認め,咬合高径の減少が惹起されていた.機能的評価では、治療後に咬合面積の増加と咬合圧の上昇、咀嚼能率の向上、ガム咀嚼時および噛みしめ時の筋活動性の上昇,ガム咀嚼時の下顎運動リズムの安定化が認められた.以上より,インプラント矯正を利用した上下大臼歯圧下による開咬症の治療は,咬合高径を減少させるが,咬合接触面積の増大に伴って,咀嚼筋機能は良好に適応することが示唆された.今後,長期的な検討が必要と考えられる.
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Research Products
(2 results)