2002 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌動物モデルにおける抗癌剤の抗腫瘍効果に及ぼすプロスタグランジンE1の影響
Project/Area Number |
14571884
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
藤塚 秀樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90262766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 敏之 岐阜大学, 医学部, 教授 (50226172)
加藤 幸弘 岐阜大学, 医学部, 助手 (30293567)
土井田 誠 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90313890)
田中 卓二 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40126743)
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Keywords | プロスタグランジンE1 / 血管新生 / VX2 |
Research Abstract |
血管拡張作用のみならず、血管新生作用を有することが認められているプロスタグランジンE1の癌の発育・進展に及ぼす影響について検討した。実験はウサギVX2舌癌モデルとリポプロスタグランジンE1を用いて行った。2.0〜2.5Kgのウサギ20匹にVX2癌細胞浮遊液(体積比50%)を外山らの方法に準じて0.1ml舌に移植した。8匹をVX2移植後非処置とし、12匹をVX2移植6日目より10日間リポプロスタグランジンE1を2μg/kgの量で10日間連続静脈内投与した。移植から20日目で実験終了とし、10mg/kgの5'-bromodeoxyuridin (BrdU)を静脈内投与した1時間後に犠牲死とした。舌の腫瘍径(長径、短径、厚径)の計測、頸部リンパ節転移、肺転移の有無を肉眼的に検索し、さらに転移については病理組織学的に検索した。舌VX2腫瘍についてはホルマリン固定後、パラフィン包埋し連続切片を作製し,H-E染色、BrdUおよびCD31の免疫染色を行った。評価は腫瘍体積(長径×短径×厚径)、BrdU-labeling indexによる細胞増殖活性、単位面積あたりの腫瘍内の微小血管数をCD31によって染色された血管内皮から計測した。 結果として、腫瘍体積、細胞増殖活性、微小血管数においてはプロスタグランジンE1投与群と非投与群においては有意差を認めなかった。また、腫瘍の転移についても影響を認めなかった。我々はプロスタグランジンE1を併用した化学療法の可能性について検討しているが、今回の成績はプロスタグランジンE1の併用によって腫瘍の発育・進展を促進してしまう危険性が少ないことを示唆するものと考えられる。今後、抗癌剤の抗腫瘍効果に及ぼすプロスタグランジンE1の影響について検討していく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toida M, Hasegawa T, Watanabe F, Kato K, Makita H, Fujitsuka H, Kato Y, Miyamoto K, Shibata T, Shimokawa K: "Lobular capillary hemangioma of the oral mucosa : clinicopathological study of 43 cases with a special reference to immunohistochemical characterization of the vascular elements"Pathology International. 53(1). 1-7 (2003)
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[Publications] Takuji Tanaka, Hiroyuki Kohno, Eisaku Nomura, Hisaji Taniguchi, Takuo Tsuno, Hiroyuki Tsuda: "A novel geranylated derivative, ethyl 3(4'-geranyloxy-3'-methoxyphenyl)-2-propenoate, synthesized from ferulic acid suppresses carcinogenesis and iducible nitric oxide synthase in rat tongue"Oncology. 64. 166-175 (2003)
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[Publications] T.Shibata, D.Nakata, I.Chiba, T.Yamashita, Y.Abiko, T.Moriuchi: "Detection of TP53 mutation in ameloblastoma by the use of a yeast functional assay"J Oral Pathol Med. 31. 534-538 (2002)