2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯牙萠出を誘導する因子の解析(下顎複合組織体同種他家移植モデルを用いた検討)
Project/Area Number |
14571886
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浜口 裕弘 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50248019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 康順 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80311760)
古郷 幹彦 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20205371)
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Keywords | 歯牙萠出 / 下顎 / 同種移植 / アポトーシス / 免疫抑制剤 / 犬 / 加齢 |
Research Abstract |
ドナーを永久歯未萌出の下顎複合組織体とし、各年齢層(歯牙萌出年齢期を4期に分類)をレシピエントとして、下顎複合組織体同種移植術を行った際のドナー側未萌出永久歯の萌出時期について検討した。その結果、成年期や老年期のみに萌出遅延が生じ、幼年期では正常に萌出することが明かとなった。また、ドナーに歯肉を含めた場合と含めなかった場合を比較したが、萌出時期には影響しなかった。萌出が遅延している部位におけるレントゲン所見では正常の歯牙萌出時期と変わらず、移植した歯胚による歯槽骨吸収能は正常であると考えられた。また、病理組織学的所見では、歯槽骨から萌出した歯冠部を増殖した歯肉が被覆しており、歯冠周囲には縮合エナメル上皮が退縮せず増殖していた。さらに通常の歯牙萌出で認められる歯肉部のアポトーシスがみられなかった。 これらの結果より本実験系での歯牙萌出時期は成犬および老犬で遅延した。歯牙萌出に際して歯槽骨の吸収には問題なく、歯肉退縮が生じないことが遅延の原因と考えられた。また、これらの現象がドナー側の歯肉の有無で差がなかったことと、レシピエントのコントロール側に歯肉増殖が生じなかったことから免疫抑制剤の副作用による反応ではないこと、さらにこの反応が局所的な因子よりも全身的な因子が関与していることが示唆された。 そこで、レシピエント成犬にドナー幼大の下顎複合組織体を移植する実験モデルを使用し、同成犬に、副甲状腺ホルモン関連蛋白や成長ホルモンを投与した際の歯牙の萌出時期を検討した。しかしながら、おのおののホルモンを投与した場合でも歯牙の萌出時期には影響しなかった。
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