2002 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疼痛へのインターロイキン-6の関与に関する研究
Project/Area Number |
14571905
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
椎葉 俊司 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20285472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲西 修 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50137345)
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Keywords | 難治性疼痛 / インターロイキン-6 / 炎症 / 免疫抑制剤 / 免疫調整剤 / 神経絞扼モデル / 神経炎症モデル / 正弦波電流刺激 |
Research Abstract |
神経因性疼痛モデルとしてラット坐骨神経を吸収性縫合糸で絞扼したものとCAF (complete Freund's adjuvant)を用いた神経炎症モデルを使用し、炎症性のサイトカインの痛覚過敏症やアロディニアなどの難治性疼痛への関与を検討した。免疫調整剤のサリドマイドや免疫抑制剤のサイクロスポリんSをラットに経口投与することによって疼痛関連行動が抑制されることが分かった。また、免疫抑制剤および免疫調整剤は神経因性疼痛モデルを作成する以前より投与するとより効果的であり神経因性疼痛に関与する炎症性の反応は神経障害直後より起こっている可能性が示唆された。以上の結果より神経因性疼痛への炎症性のサイトカインが関与していることが明らかになったが、どのサイトカインが関与しているかは明らかではない。疼痛関連行動はサリドマイドに比較してサイクロスポリンが有意に抑制する結果も得ている。サリドマイドは活性化マクロファージを抑制し炎症性サイトカインの一種であるTNF-α産生を抑制することが分かっている。サリドマイドは投与量を50mg/kgから200mg/kgに増量しても疼痛抑制効果に変化はなかった。サイクロスポリンはサリドマイドと比較してより強力により広範囲に炎症性反応を抑制する。従ってTNF-α以外のサイトカインが強く関与している可能性がある。インターロイキンー6の拮抗薬を投与したところサイクロスポリンSと同等の疼痛関連行動抑制効果が認められた。神経因性疼痛に炎症性サイトカインであるインターロイキン-6が大きく関与していることが分かった。現在は神経絞扼モデルを使用し神経のどの部分で関与しているかを免疫染色を利用することによって検討している。神経絞扼の手術後1日より脊髄神経後根神経節でインターロイキン-6が感知された。今後、時間的経過および拮抗薬を投与したモデルでの免疫染色での変化を継続し研究する予定である。
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