2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛へのインターロイキン-6(IL-6)の関与に関する研究
Project/Area Number |
14571905
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
椎葉 俊司 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20285472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 英治 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (00295859)
仲西 修 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50137345)
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Keywords | 神経因性疼痛 / インターロイキン-6 / 炎症性サイトカイン / CCIモデル / 脊髄神経後根神経節 / 坐骨神経 / 神経炎症 |
Research Abstract |
前年度までにラット坐骨神経を緩徐に縫合した疼痛モデル(CCI:choronic constriction injury)とcomplete Freund's ajubantを使用し神経炎症を誘発させたモデル(CFA)が神経因性疼痛を誘発することが明かにされた。これらのモデルは足底への熱輻射、冷刺激、ピンプリックテストに対し足底をなめたり逃避行動をとるなどの疼痛関連行動を起こす。これらの疼痛関連行動は免疫調整剤のサリドマイドや免疫抑制剤のサイクロスポリンSの投与によって抑制されることより炎症性の物質が神経因性疼痛に関与していることが予測される。そこで神経再生に深く関与しているインターロイキン-6(IL-6)に注目し、IL-6の抗体を前投与したところ全ての疼痛刺激に対する疼痛関連行動が抑制されることがわかった。免疫染色ではIL-6のがラット脊髄後根神経節(DRG:dorsal root gangrion)、脊髄後根および神経損傷部に神経障害直後より出現し障害後3日でピークとなり、障害後14まで継続した。これはラット疼痛関連行動の程度の経過と一致する。また、ラット坐骨神経を露出しIL-6溶液を浸したオキシセルで被覆したところCCIやCFAのように疼痛関連行動が出現した。以上のことより神経因性疼痛へのIL-6の関与が明らかになった。神経因性疼痛の治療法としてIL-6拮抗薬の神経損傷後早期に投与することが有効であると考えられる。
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Research Products
(2 results)