2004 Fiscal Year Annual Research Report
口腔・中咽頭癌術後患者のQOLの評価法に関する研究
Project/Area Number |
14571909
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
今井 智子 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (60260907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 夕香里 昭和大学, 医学部, 講師 (50260906)
高橋 浩二 昭和大学, 医学部, 助教授 (40197140)
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Keywords | 口腔・中咽頭癌 / 構音障害 / QOL / コミュニケーション能力 / 評価法の開発 |
Research Abstract |
口腔・中咽頭癌術後患者のコミュニケーション能力を正確に評価するためには、客観的な評価方法の開発が必要である。平成14年度は予備研究として、現在臨床場面で良く用いられている会話明瞭度検査(田口、1966)について、検査の妥当性および信頼性を検討した。 平成15年度はDirect Magnitude Estimation(以下DME法)を用いて舌切除患者の発話明瞭度を評価し、DME法は文章了解度検査の結果と相関が認められ、文章明瞭度の評価法として妥当性があることを明らかにした。 平成16年度は、DME法の明瞭度評価法の適切性をより明確にするために、従来から発話明瞭度の評価法として用いられている等間隔尺度法(EAI法)との比較を行ったところ、以下の結果が得られた。 1.検者間一致度は、舌切除患者の臨床経験の有無に関わらず、高い相関を示す場合が多かった。 2.検者内一致度は、DME法とEAI法の間で有意差はなかった。 3.DME法とEAI法で得られた明瞭度の間には、ほとんどの聴取者で有意な相関が認められた。 4.DME法とEAI法の結果については、一般成人による文章了解度と有意な相関が認められた。 以上の結果から、DME法はEAI法と同様信頼性および妥当性があることが明らかとなった。また、明瞭度を連続量として評価できることから、訓練効果や経時的変化を客観的に測定する方法として有効であることが示唆された。
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