2002 Fiscal Year Annual Research Report
SEREX法による口腔癌患者血清中抗癌関連抗原抗体を利用した新規癌標的抗原の検索
Project/Area Number |
14571926
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
大林 修文 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (00322545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐賀 信介 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40144141)
白水 敬昌 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (80308791)
河合 俊彦 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90201441)
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Keywords | 口腔がん / 癌抗原 / CT抗原 / SEREX / CTL療法 |
Research Abstract |
20世紀末の免疫学の進展によって、T細胞が認識可能なヒト癌抗原の単離・同定が飛躍的に拡大しつつあるが、口腔癌における癌抗原については未だ十分な検索がなされていない。cancer testis(CT)抗原と総称される抗原群は、正常組織での発現が免疫系から隔離された生殖系細胞と一部の組織に限局することから、細胞障害性T細胞(CTL)を用いた免疫療法の標的分子として臨床的に有望と考えられている。我々は口腔癌に対する免疫療法への可能性を検討するべく、口腔扁平上皮癌におけるCT抗原群の発現をRT-PCR法で解析するとともに、新規癌抗原の単離・同定をも目指して、SEREX(serological identification of antigens by recombinant expression cloning)法による検索を試みた。 ヒト口腔扁平上皮癌細胞株15株におけるCT抗原15遺伝子の発現頻度を解析し、20%以上の細胞株について発現を認めた8遺伝子について、口腔扁平上皮癌の外科切除組織30例を用いて検討した。症例における各CT抗原の発現頻度はいずれも40%以下であったが、発現頻度をstage別に検討したところ、異なるstageに発現ピークを示す2つの抗原群に分類された。さらに、解析した8遺伝子中の6抗原については特定のstageで40%以上の極めて高い発現頻度を示す事から、標的抗原であるCT抗原群をstage別に組み合わせる事によって、口腔扁平上皮癌に対するCTL療法として応用し得る可能性が示唆された。 また、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株より抽出したmRNAを用いてλZAPによるcDNA発現ライブラリーを作成し、同発現ライブラリーと口腔扁平上皮癌症例の患者血清を用いたSEREX法によるスクリーニングを開始した。 今後は、既に開始しているSEREX法による新規癌抗原のスクリーニングの完了を計りつつ、口腔扁平上皮癌に対するCTL療法の可能性についても検討を加える予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakagawa, A., et al.: "Fatal cytotoxic T-cell proliferation in chronic active Epstein-Barr virus infection in childhood"Am. J. Clin. Pathol.. 117. 283-290 (2002)
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[Publications] Fujiwara Shigeyoshi, et al.: "caspin/PEDF/EPC-1は内皮細胞のアポトーシスを誘導する"Aichi-Gakuin Dental Science. 14. 3-8 (2001)