2002 Fiscal Year Annual Research Report
乳歯歯根吸収に関与する遺伝子の同定およびその制御機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
14571933
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三留 雅人 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50261318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊入 崇 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10322819)
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30230816)
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Keywords | ヒト乳歯 / TRAP陽性多核細胞 / 歯根吸収 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
我々はヒト乳歯ならびに永久歯由来歯根膜細胞と、マウス大腿骨から採取した骨髄細胞との共存培養系において、10%FBS、アスコルビン酸およびL-グルタミンを添加したαMEM培養液に活性型ビタミンD_3とデキサメタゾンを添加することにより、破骨細胞のマーカー酵素の一つである酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)活性陽性の多核細胞を誘導することに成功した。 また、セファデックスG10ビーズ充填カラムを用いることにより、マウス骨髄細胞から、骨芽細胞や線維芽細胞などの付着系細胞を取り除き、monocyteを含む非付着系細胞を回収し、10%FBS、アスコルピン酸およびL-グルタミンを添加したαMEM培養液に分泌型のreceptor activator of NF-kappa B ligand (RANKL)とCSF-1(M-CSF)とを添加した培養液を用いて培養を行うことにより、TRAP陽性多核細胞を得ることに成功した。 以上のような培養系において、乳歯象牙質切片上で細胞培養を行い、歯根(骨)吸収窩を持つことを走査型電子顕微鏡で確認し、歯根(骨)吸収活性を持つ破歯(破骨)細胞であることを確認した。以上の結果より、乳歯歯根吸収誘導能を確認するための実験系が確立された。 また、ヒト乳歯または永久歯由来歯根膜細胞において、それぞれ2種類の特異的に発現する遺伝子を同定した。今後はこれら遺伝子を強制発現させる系を利用して、今年度確立した培養系に応用し解析を行う。
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