2002 Fiscal Year Annual Research Report
矯正治療の固定源としてのインプラントを顎発育期の患者に適用するための基礎的検討
Project/Area Number |
14571967
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
斉藤 茂 昭和大学, 歯学部, 講師 (20195986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 仁美 昭和大学, 歯学部, 講師 (20255889)
岩瀬 正泰 昭和大学, 歯学部, 講師 (50193743)
諸橋 富夫 昭和大学, 歯学部, 講師 (10146871)
田中 憲男 昭和大学, 歯学部, 助手 (60343498)
関 健次 昭和大学, 歯学部, 講師 (00245820)
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Keywords | 雄性ビーグル幼犬 / チタン製ミニスクリュー / 骨標識 / 軟X線写真 / 骨形態計測 / 成長の抑制 / 3次元模型計測 / 歯列弓長径 |
Research Abstract |
本研究には生後4ヵ月の雄性ビーグル犬6頭を用い、そのうち3頭には実験群として口蓋部と下顎両側前臼歯部に直径1.2mm長さ4.6mmのチタン製ミニスクリューを植立した。他の3頭は無処置の対照群とし、生後10ヵ月の屠殺時まで毎月1回口腔内の印象採得を行った。屠殺の2週間前に塩酸テトラサイクリンの皮下投与を行い、屠殺3日前にはカルセインの皮下投与を行い、骨標識とした。その結果、植立したチタンミニスクリューは屠殺時まで口腔内で安定しており、動揺や脱落は1本も認められなかった。屠殺後の動物は下顎骨全体の転X線写真撮影を終え、下顎骨ならびにミニスクリュー周囲の骨形態計測を行っているが、軟X線写真の計測では実験群の下顎骨の垂直的な成長が対照群に比べて抑制される傾向が伺われている。また、植立したチタンミニスクリューは顎骨と良好な骨結合を示し、チタン表面には骨標識剤が活発に認められた。 一方、上顎骨では毎月採得した歯列模型から、歯列弓の幅径や長径の計測を行っているが、下顎と同様に実験群において歯列弓長径の増加が対照群よりも少ない傾向が認められているが、歯列弓幅径においては両群の差はわずかであった。歯列模型は現在、口蓋面積や口蓋の深さならびに口蓋容積を測定するため、レーザーによる非接触性3次元模型計測装置を株式会社ユニスンから借用予定である。来年度は上顎骨の軟X線写真からの各種計測を踏まえ、蛍光顕微鏡写真による上顎チタンスクリュー周囲の骨形態計測を行い、あわせて下顎のデータとの整合性を検討予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 斉藤茂, 大前正美, 他2名: "小型チタンネジを固定源としたイヌ下顎前臼歯の実験的圧下移動"日本矯正歯科学会雑誌. 61巻2号. 78-87 (2002)
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[Publications] 斉藤茂, 山崎健一, 柴崎好伸: "根未完成歯の意図的再植に及ぼすエナメルマトリックス由来物質の効果"日本口腔インプラント学会雑誌. 15巻2号. 207-215 (2002)
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[Publications] Morohashi T., Saito S., 他6名: "Defects in mandibular bone area, enamel iron....in rats"Archives of Oral Biology. 47巻6号. 499-504 (2002)
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[Publications] 斉藤茂, 田中憲男, 他2名: "感圧型咬合紙による各種不正咬合患者の矯正治療前後の咬合力の分析"日本矯正歯科学会雑誌. 61巻4号. 263-271 (2002)
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[Publications] 斉藤茂, 藤島昭宏, 他2名: "光重合レジン添加型グラスアイオノマーセメントの歯科矯正用ボンディング材としての評価"日本矯正歯科学会雑誌. 61巻5号. 357-366 (2002)
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[Publications] 斉藤茂, 笠原茂樹, 他3名: "各種不正咬合患者の最後乳歯脱落年齢と第二大臼歯萌出年齢の関連"日本矯正歯科学会雑誌. 62巻2号(in press). (2003)
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[Publications] 斉藤 茂: "矯正臨床ジャーナル(近年の基礎研究の方向性)"東京臨床出版(株). 168 (2002)