2003 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜細胞のメカニカルフォース応答性RANKL発現と破骨細胞誘導能について
Project/Area Number |
14571968
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
清水 典佳 日本大学, 歯学部, 教授 (40154299)
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Keywords | 歯根膜細胞 / RANKL / Cox-2 / M-CSF / メカニカルストレス / 加齢 |
Research Abstract |
昨年度10歳患者の小臼歯から採取し培養したヒト歯根膜細胞にピストン型ガラスシリンダーを用いて圧迫力を加えた結果、OPGは圧迫刺激に関係なく対照群、実験群共に発現していたがRANKLは両群共に発現が見られなかった。そこで今回RANKL遺伝子発現を検出するため種々のプライマーを用い1,25vitamin D_3存在下(J Bone Miner Res17,2002)で歯根膜細胞(48歳)を培養し圧迫刺激を加えると、検出できるプライマーが決定され、またD_3投与および圧迫刺激共に発現が上昇していた。そこで13歳(若年)および48歳(老年)の患者から採取した細胞を培養し2g/cm^2の圧迫刺激を加え骨吸収関連遺伝子について検討した。若年細胞の骨吸収関連遺伝子では圧迫刺激3時間後からCox-2発現が顕著に上昇したが、RANKLは12時間後にわずかに発現しているだけであった。M-CSFには変化がなくOPGは軽度に低下した。一方、老年細胞ではCox-2(1時間後)のみならずRANKL(3時間後),M-CSF(12時間後)およびOPG(1時間後)すべてが上昇していた。RANKLタンパク発現を検討するため圧迫刺激を加えた細胞のcell lysateを材料にRANKL抗体を用いたwestern blotを行った結果、老年細胞ではタンパク発現が認められ、圧迫刺激で亢進していた。 以上のことから圧迫刺激を加えた老年歯根膜細胞は若年細胞に比べ破骨細胞活性化因子であるCox-2,M-CSF,RANKL遺伝子発現を亢進しており、矯正治療で生じる異常な歯槽骨や歯根吸収の加齢による増加と関連が深いものと考える。現在マウス大腿骨から採取した骨髄由来マクロファージと圧迫刺激を加えた歯根膜細胞との共培養による破骨細胞形成について計画中である。
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