2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14571971
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
木本 茂成 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90205013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松澤 光洋 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60288082)
川瀬 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (30084784)
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Keywords | 乳歯歯根膜 / 線維芽細胞 / 破骨細胞 / vitamin D_3 / RANKL / osteoprotegerin / M-CSF |
Research Abstract |
ヒト乳歯および永久歯歯根膜組織由来線維芽細胞(それぞれHPLF-D, HPLF-P),歯槽骨由来骨芽細胞(hOB),また歯肉由来線維芽細胞(hGF)における,OPG, RANKLさらにmacrophage colony stimulating factor (M-CSF)のmRNAの発現レベルに対する,活性型vitamin D_3(D_3),およびdexamethasone (Dex)の効果について比較検討した。OPG, RANKLおよびM-CSFのmRNA量は,GAPDHのmRNA発現量に対する相対的なレベルとして比較を行った。歯周組織由来の培養細胞はいずれもOPGの遺伝子を発現しており,細胞間でそのmRNAレベルに大きな差は認められなかった。また,各細胞はM-CSFの遺伝子を発現していたが,いずれの細胞においても,膜結合型M-CSFに比較し分泌型のmRNAレベルが極めて高かった。一方,hGFにおいてはRANKLのmRNA発現は認められず,HPLF, HPLF-YおよびhOBにおけるRANKLのmRNAレベルはDex添加による影響を受けなかったのに対し,D_3添加により濃度依存的に上昇した。RANKLのmRNAレベルはHPLFよりもHPLF-Yで高い傾向を示し,hOBとほぼ同様な発現が認められた。これらの結果から,1)歯周組織を構成する細胞は破骨細胞の分化誘導因子のうちM-CSFとOPGを一定のレベルで発現している。2)歯周組織における破骨細胞の分化誘導には,骨芽細胞および歯根膜細胞の産生するRANKLが最も重要な因子であり,D_3に代表される骨代謝因子によりそ発現量が上昇することで,破骨細胞の分化が誘導される。3)骨吸収因子の存在下において乳歯歯根膜細胞の破骨細胞分化誘導能は永久歯歯根膜に比較して高く,その効果は骨芽細胞と同程度であることが示唆された。
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