2002 Fiscal Year Annual Research Report
動物モデルを用いた齲蝕症に対する宿主の遺伝要因の特定
Project/Area Number |
14571972
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40200018)
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Keywords | 齲蝕症 / 分子遺伝学 / 連鎖解析 / 近交系マウス |
Research Abstract |
齲蝕症に対する宿主の遺伝要因の特定を目的に、齲蝕感受性であるBALB/cマウスと齲蝕抵抗性であるC3H/HeJマウスの交配実験から連鎖解析に必要なF2マウス100匹を作製した。親系、F1およびF2マウスを対象にStreptococcus mutans PS-14(血清型c型)の経口接種(菌数:10^8CFU)ならびに齲蝕原性飼料であるDiet2000(30%スクロース含有)を用いた感染実験を行った。 1、F2マウスにおける接種菌の定着菌数は10^2〜10^5CFUの範囲(平均2.76×10^4)で正規分布を描いていた。さらに、Fur pigmentationを決定する遺伝子であるa locus(Agouti : chromosome2番)およびc locus(albino : chromosome7番)と菌の定着との関連性を検討したところ、Coat colorと定着菌数に明らかな連鎖は認められなかった。 2、量的遺伝解析に必要不可欠な齲蝕評価法の確立を目的に、両親系統であるBALB/cマウスとC3H/HeJマウスの下顎第一・第二臼歯にみられた齲蝕の広がりを体積として捉えるためにMicro-CTの有用性を検討した。従来のマウスを用いた齲蝕実験における齲蝕の評価法は2次元評価であったが、Micro-CTを用いることにより齲蝕の3次元的広がりの評価が可能となった。 以上の結果から、連鎖解析に必要なF2マウスが確保され、新たな齲蝕評価法が確立できたことから、今後齲蝕スコアの数値化ならびにF2マウスの遺伝子型判定により量的遺伝解析が可能であることが示唆された。
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