2004 Fiscal Year Annual Research Report
動物モデルを用いた齲蝕症に対する宿主の遺伝要因の特定
Project/Area Number |
14571972
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40200018)
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Keywords | 齲蝕実験 / 初期齲蝕 / マウス / 分子遺伝学 / QTL解析 / 連鎖解析 |
Research Abstract |
初期齲蝕の発症に関与する感受性遺伝子の特定は、歯科臨床において予防的観点から個々の齲蝕リスク診断に結びつく重要な研究テーマである。申請者は、過去の実験動物を用いた齲蝕誘発実験とは異なり、初期齲蝕の発症リスクに注目し、分子遺伝学的手法により感受性遺伝子の特定を行っている。すでに、齲蝕感受性マウスであるBALBマウスと齲蝕抵抗性マウスであるC3Hマウスとの遺伝的交配から得られたF2組み換えマウスの遺伝子型と齲蝕を数値化した表現型をもとに全染色体を対象とした連鎖解析ならびに量的遺伝解析を行ったところ、染色体3番、7番、8番、11番、16番および17番が候補染色体として検出された。過去の報告と今回得られた結果をもとに検討したところ、初期齲蝕の発症に関与する遺伝子は染色体7番と11番に存在する可能性が強く示唆された。そこで、候補領域の絞り込みから候補遺伝子を同定するため、染色体7番上に7個のDNAマーカーと染色体11番上に6個のDNAマーカーを設定し、QTL解析の1つであるInterval mappingをMap Manager ATXb19を用いた量的遺伝解析から行った。その結果、染色体7番上では、D7Mit62(42.6cM)〜D7Mit126(50cM)の領域に、染色体11番上では、D11Mit242(31cM)〜D11Mit262(46cM)の領域に候補遺伝子の存在する可能性が強く示唆された。現在、候補領域に存在する遺伝子として染色体7番のHbb遺伝子と染色体11番のCacnbl遺伝子、Cacnalg遺伝子を標的にSouthern blotを用いたRFLPによる連鎖解析を進めている。
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