2002 Fiscal Year Annual Research Report
実験的辺縁性歯周炎での微小循環(毛細血管及びリンパ管)の動態に関する立体解析
Project/Area Number |
14571975
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野寺 健 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30233597)
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Keywords | 辺縁性歯周炎 / 微小循環 / 免疫染色 / 立体構築 |
Research Abstract |
歯周組織、とくに歯根膜及び歯槽骨での微小循環には大別して血管系とリンパ管系の2種類が存在する。従来、これを全体像としてとらえ、観察することは非常に困難であった。その理由として、硬組織内あるいは硬組織に隣接しているという位置的に組織学的観察が困難であることがあげられる。また切片標本では二次元的な観察のみ可能であり、立体的・動的な変化を観察し得ないためである。また、血管系・リンパ管系をそれぞれ分離して観察することが困難であったことも、その理由としてあげられる。しかし、近年の免疫組織学的手法(PECAM-1,MHC classIIなど)の発達により、リンパ管内皮細胞のみに特異的に染色する方法が見いだされるようになってきた。今回、研究の初段階として、従来、リンパ管の増殖として単一的にとらえられてきたリンパ管腫について、毛細血管及び毛細リンパ管の双方がどのように関わっているかを免疫組織学的に検索した。リンパ管内皮細胞に対して特異的であるとされるVEGFR-3抗体、さらにVEGF-C、SMA、FactorVIII抗体等を用いた免疫染色を行いその染色様態について観察した。その結果、リンパ管腫は従来考えられていたような、単一性のリンパ管増殖病変ではなく、腫瘍周辺性で、毛細血管とリンパ管が複雑な吻合をなすことが明らかになった。今後、さらに辺縁性歯周炎という炎症性疾患に置いて、どのような動態を示すのかを明らかにしていきたい。
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