2002 Fiscal Year Annual Research Report
口臭原因物質メチルメルカプタンの歯周病増悪因子としての新たな解析
Project/Area Number |
14571985
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
瀬戸口 尚志 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 講師 (60206646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 松男 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (50332896)
四元 幸治 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 助手 (20295265)
町頭 三保 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (80253897)
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Keywords | 口臭 / メチルメルカプタン / 歯周病 / 細胞培養 / 細胞障害性 / アポトーシス / 国際情報交換 / カナダ |
Research Abstract |
本年度の研究実績 1.メチルメルカプタンの上皮系細胞に対する細胞増殖抑制作用および細胞障害性 上皮系細胞株であるKB細胞〔ヒト口腔上皮癌細胞株〕,HSC-2細胞(ヒト口腔扁平上皮癌細胞株)を50ng/mlの濃度のメチルメルカプタン存在下および非存在下で5日間培養した。コールターカウンターによる細胞数の計測の結果,メチルメルカプタン存在下では培養3日目以降細胞数の有意な低下がみられ,また,BrdU取り込みによる細胞増殖能の測定で細胞増殖能の有意な低下がみられた。さらに,LDHの細胞外への放出量による細胞障害性の測定の結果メチルメルカプタンが実験に用いた上皮系細胞に対し細胞障害性を有することが明らかとなった。 2.単球系細胞に対する,細胞増殖抑制作用および細胞障害性の判明 単球系細胞株であるHL-60(前骨髄性白血病細胞株)とU-937(単球芽球様細胞株)に対するメチルメルカプタンの作用を検討した結果,上皮系細胞に対してと同様に細胞増殖抑制作用および細胞障害性を有することが判明した。さらに,これがアポトーシスによるものかネクローシスによるものかを検討した結果,主にネクローシスによることがわかった。 3.歯周病増悪因子としてのメチルメルカプタンと役割 以上の結果より,メチルメルカプタンは上皮細胞に対し障害を与え,歯周ポケット内細菌の毒素や酵素の結合組織内への侵入を促進し,免疫系細胞に対しても影響を及ぼし,歯周病の発症や進行に関与する可能性が示された。以上の結果をふまえ,来年度はさらに詳細な検討を加える。
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Research Products
(1 results)