2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉線維芽細胞におけるスフィンゴ脂質の炎症応答に対する作用
Project/Area Number |
14571988
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中尾 寿美 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20102577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90204065)
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Keywords | 歯肉線維芽細胞 / 炎症 / スフィンゴ脂質 / セラミド / プロスタグランジンE_2 / 細胞内カルシウムイオン濃度 / シクロオキシゲナアーゼ / IL-1β |
Research Abstract |
スフィンゴ脂質からスフィンゴミエリナーゼにより産生されるセラミドは様々な疾患における病因・病態における重要な因子である。サイトカイン、ストレス刺激、Fasリガンドなどがスフィンゴ脂質からスフィンゴミエリナーゼによるセラミド産生系を介し、炎症、細胞増殖、分化、アポトーシスを引き起こすことが報告されている。 平成14年度は以下の実験を行った。 1.プロスタグランジンE_2 歯肉線維芽細胞にC_2-セラミドを作用させプロスタグランジンE_2量をELISA法により測定しシクロオキシゲナーゼ-活性について測定した。C_2-セラミドは濃度依存的(10-50μM)および経時的(6-24時間)にIL-1βによる作用させプロスタグランジンE_2産生を抑制した。C_2-セラミド単独では対照と比較してごくわずかなプロスタグランジンE_2産生が認められた。またC_2-セラミドのアナログを同様に作用させたがIL-1βによるプロスタグランジンE_2産生は影響を受けなかった。 2.細胞内カルシウムイオン濃度 歯肉線維芽細胞におけるブラジキニンによる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇はC_2-セラミド前処置により抑制された。C_2-セラミドのアナログは抑制を示さなかった。またC2-セラミド単独では細胞内カルシウムイオン濃度の変化に影響を与えなかった。 以上の結果よりC_2-セラミドは歯肉線維芽細胞における炎症応答の即時的応答くブラジキニンに対する作用)と遅発応答(IL-1βに対する作用)の反応の両方を抑制し、抗炎症作用を有することが示唆された。
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