2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14572009
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大沢 昭緒 昭和大学, 薬学部, 教授 (00102369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横屋 正志 昭和大学, 薬学部, 助手 (50338539)
永田 和弘 昭和大学, 薬学部, 講師 (20208010)
伊藤 喬 昭和大学, 薬学部, 助教授 (40159885)
宮崎 倫子 昭和大学, 薬学部, 助手 (00266165)
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Keywords | 一酸化窒素 / 窒素酸化物 / 活性酸素 / アミン類 / アミド結合 / ジスルフィド結合 |
Research Abstract |
筆者等は、既に、代表的な複素環化合物の一つであるHantzschジヒドロピリジンがNO単独で速やかに酸化反応を受け、対応する芳香化生成物へと定量的に変換できることを見出した。また、触媒量の酸素添加により、反応が著しく促進されることも明らかとなった。そこで、NOと反応させる基質としてN-H結合を有する化合物を取り上げた。その結果、芳香族第一アミン類が、NOと触媒量の酸素存在下、還元的に脱アミノ化反応を起こすことを見出し、反応機構、応用性等について検討した。本反応は、NOに還元力があることを示した最初の例であり、ヒドラジン、ヒドラゾン等の窒素化合物でも同様の反応が進行した。更に、ここで得られた知見をアミド結合に適用し、アミドのN-H結合がNOによってN-ニトロソ体となり、更に熱的な転位反応によりエステルへと変換されることを見出した。この反応の一般性、反応機構、置換基効果等について現在検討中である。また、ジスルフィド類とNOが反応し、ジスルフィド交換反応が起こるという知見を得ているが、反応機構および反応の一般性についての詳細は不明である。そこで、種々のジアルキルジスルフィド類およびジフェニルジスルフィド類を入手または合成し、これらを用いてNOとの反応性を検討中である。さらに反応系内における酸素の存在効果を検討することで、本反応に関与する反応活性種の同定を試みる。
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