2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体触媒と有機金属の相補的組合わせによる抗深在性真菌抗生物質の合成
Project/Area Number |
14572016
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
秋田 弘幸 東邦大学, 薬学部, 教授 (60087525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 雅子 東邦大学, 薬学部, 助手 (10277345)
加藤 恵介 東邦大学, 薬学部, 講師 (80276609)
尾能 満智子 東邦大学, 薬学部, 助教授 (80104149)
|
Keywords | biocatalyst / lipase / palladium / chiral syuthesis / antibiotic / cystothiazole |
Research Abstract |
1.申請者らが先に報告している、リパーゼを用いる酵素的手法で光学活性な(2R,3S)-2,3-エポキシブタン酸メチルを調製した。 2.これをキラルシントンとして、シストチアゾールAの左半分に相当するアルデヒドを合成した。すなわち(2R,3S)-2,3-エポキシブタン酸メチルのエポキシ環をアルミニウムアセチリドにより開環後、脱シリル化と続くエステルの還元によりジオールとした。これに申請者らが見出したPd(II)触媒下の環化-カルボニル化反応を行ったところ76%の収率で目的とする環状β-アルコキシアクリレート誘導体が得られた。次にこれの水酸基をメチル化後、酸処理と続く一級水酸基のシリル化で鎖状のシリルエーテルとした。続いてこれのO-メチル化と脱シリル化でアルコールとした後、Dess-Martin酸化により目的とする、シストチアゾールAの左半分に相当するアルデヒドを得ることに成功した。 3.シストチアゾールAの左半分に相当するビチアゾール構造を有するホスホニウム塩を合成した。すなわちビチアゾールカルボン酸エステルをLiBH_4により還元した後、得られたアルコールのヨウ素化と続くPh_3Pとの反応で目的とするホスホニウム塩を合成した。 4.シストチアゾールAの左半分に相当するアルデヒドとシストチアゾールAの左半分に相当するビチアゾール構造を有するホスホニウム塩より得られるイリドとのWittig反応を行ないシストチアゾールAのキラル全合成を達成すると共にシストチアゾール類およびメリチアゾール類の一般性の高い独自の合成ルートを確立することに成功した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] K.Kato, A.Nishimura, Y.Yamamoto, H.Akita: "New total synthesis of (+)-cystothiazole A"Tetrahedron Letters. 43. 643-645 (2002)
-
[Publications] K.Kato, A..M.Ono, H.Akita: "New total synthesis of(±)-,(-)-and (+)-Chuangxinmycins"Tetrahedron. 57. 10055-10062 (2001)
-
[Publications] K.Kato, A.Nishimura, Y.Yamamoto, H.Akita: "Improved method for the synthesis of (E)-cyclic-β-alkoxyacrylates under mild conditions"Tetrahedron Letters. 42. 4203-4205 (2001)