2004 Fiscal Year Annual Research Report
水系での固相合成-Green Chemistryを指向したペプチドの合成の開発
Project/Area Number |
14572024
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
川崎 紘一 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (40068242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 光子 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (90131531)
北條 恵子 神戸学院大学, 薬学部, 実験助手 (20289028)
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Keywords | 水中合成 / 水溶性保護基 / 2-(4-sulfophenyl)ethoxycarbonyl group / ペプチド合成 / 水中固相合成 / エンケファリン |
Research Abstract |
水溶液中でペプチド合成を行うには、反応させるN-保護アミノ酸は水溶性で無ければならない。特に固相合成法で行う場合は、樹脂が疎水性なのでN-保護アミノ酸の水溶性は重要である。既に2-[phenyl(methyl)sulfonio]ethoxycarbonyl tetrafluoroborate(Pms)基を開発したが、この保護基を用いた水中固相合成法更に詳細に検討して合成マニュアル検討、確立した。また全アミノ酸のPms誘導体を合成した。また樹脂も水中固相合成法では親水性が望ましいので、「親水性を加味したペプチド合成用樹脂」の開発を試みたが、まだ成功には至っていない。Pms基は非常に優れて水溶性を示す半面、オニウム塩であり、あまり安定でないという欠点がある。これらの欠点の無い新しい保護基として2-(4-sulfophenyl)ethoxycarbonyl(Sps)基を開発した。 Phenylthioethanolと4-nitrophenyl chloroformateを反応させ2-phenylthioethyl4-nitrophenylcarbonate(Pte-ONp)とした。これをスルホン化し2-(4-sulfophenyl)ethoxycarbonyl4-nitrophenylcarbonate(Spt-ONp)とし、これをアミノ酸と反応させSpt-アミノ酸とした後、過酸化水素/3弗化酢酸(TFA)で酸化してSps-アミノ酸とした。またSpt-ONpを過酸化水素/TFAで酸化してSps-アミノ酸を得た。Sps-アミノ酸は優れた水溶性を示し、安定な化合物であった。 またSps基は0.025MNaOHや5%Na_2CO_3という緩和な塩基条件で除去が可能であった。Sps-アミノ酸を用いて水中で固相合成を行い、Leu-エンケファリンを61%の収率で合成することができた。
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Research Products
(2 results)