2002 Fiscal Year Annual Research Report
金属フタロシアニン誘導体固定化シリカゲルを用いた順相系HPLC用カラムの開発
Project/Area Number |
14572031
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
御舩 正樹 岡山大学, 薬学部, 助教授 (00200105)
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Keywords | 金属フタロシアニン固定化シリカゲル / HPLC用カラム / 芳香族炭化水素 / 無極性移動相 / 市販カラムとの比較 |
Research Abstract |
本年度は,表題のシリカゲル(以下,M-PCS_D,M=Cu or Ni)をHPLC用カラムに充填し,いわゆる順相系移動相として,n-Hexaneを移動相として用い,いわゆる逆相系移動相であるmethanol-水系移動相との多環性芳香族化合物(PAHs)の分離挙動の比較,及び,市販カラム中でパイ電子相互作用を持つとされるpyrenylethyl-silica(PYE)カラム及びnitrophenylethyl-silica(NPE)カラムとn-Hexane移動相での分離挙動の比較を行った. まず,M-PCS_D(M=Ni^<2+,>Cu^<2+>)カラムを用い,無極性移動相中での4環までのPAHsの分離挙動を,極性移動相中での分離挙動と相関図を用いて比較した.その結果,両移動相でのPAHsの保持係数は一次の相関を示し,M-PCS_Dカラムは,無極性移動相中でも極性移動相と同じくM-PCSのもつπ電子の関与する相互作用によりこれらのPAHsを分離できると考えた.また,π電子の関与する相互作用を持つ市販のPYEカラムと,無極性移動相中でのこれらのPAHsの分離挙動を比較し,Cu-PCS_DカラムではPYEカラムと同様主にπ電子の関与する相互作用が働き,Ni-PCS_Dカラムではそれに加えて別の相互作用も加わっているものと考えた. 次いで,M-PCSDカラムのPAHsの分離にM-PCSが関与しているかを確かめるため,充填剤上のM-PCS固定化量の変化や,移動相にPAHsを添加した際の試料PAHsの分離挙動への影響を検討した.その結果,M-PCS_DとPAHsとの無極性移動相中での相互作用は主に固定化されたM-PCSのπ電子とPAHsのπ電子との相互作用であることがわかった.
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