2002 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴を用いたインターロイキン13遺伝子変異体のアレルギー反応増強機構の解明
Project/Area Number |
14572032
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 正 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (90184928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 義人 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60315091)
井本 泰治 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90038282)
出原 賢治 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (00270463)
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Keywords | NMR / インターロイキン13 / アレルギー |
Research Abstract |
我々の研究グループでは、IL-13変異体(Arg112Gln)は野生型に比べ、デコイ(おとり)レセプターであるIL-13受容体α2に対し、異なる親和性を持つという予備的な知見を得ている。そこで、本年度は、この親和性の違いが、IL-13野生型とその変異体(Arg112Gln)の動的挙動の違いかどうかを明らかにする目的で研究を行った。 動的挙動を解析するために、野生型IL-13及び変異体IL-13を^<15>N均一ラベル化する必要がある。タンパク質を効率的に^<15>Nラベル化することが報告されているPichia pastorisを用いて発現を行うため、それぞれのタンパク質に関して、ベクターの構築、宿主菌への形質転換を行った。定法に従い、培養を行ったが、得られたタンパク量は非常に少ないことがわかった(0.01mg/L以下)。そこで、発現系を大腸菌に変更するため、新たにベクターを構築した。大腸菌でヒト由来のタンパク質を発現させる場合、そのままタンパク質を発現すると発現量が非常に少ないことが知られている。その改善のため、タンパク質N末端にHis Tag(His x 6)を付加した。また、発現後、His Tagを除去できるように、His TagのC末側にエンテロキナーゼの切断配列である、Val-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys配列を挿入した。即ち、His Tag-エンテロキナーゼ切断配列-IL-13の順でタンパク質が発現するように、ベクター上で遺伝子構築した。大腸菌BL21(DE3)に形質転換し、形質転換体を培養したところ、目的のタンパク質が発現していることを確認した。これらは封入体として発現されているが、試験管内でのIL-13の変性還元条件からの活性化法については既に確立されているので、今後はこの方法によって、活性型IL-13を得る予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohkuri et al.: "A metal binding in the polypeptide chain improves the folding efficiency of a denatured and reduced protein"Biopolymers. 64・2. 106-114 (2002)
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[Publications] Obita et al.: "Determination of the secondary structure in solution of the Escherichia coli DnaA DNA-binding domain"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 299・1. 42-48 (2002)
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[Publications] Ohmura et al.: "Fluctuations in free or substrate-complexed lysozyme and a mutant of it detected on x-ray crystallography and comparison with those detected on NMR"J.Biochem.. 131・5. 701-704 (2002)