2003 Fiscal Year Annual Research Report
自殺遺伝子治療用遺伝子導入リポソームベクターの開発
Project/Area Number |
14572040
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
米谷 芳枝 星薬科大学, 医薬品化学研究所, 教授 (10231581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 京子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60110623)
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Keywords | 遺伝子治療 / リポソーム / リポソームベクター / 自殺遺伝子 / プラスミドDNA / ガンシクロビル / トランスフェクション / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
癌細胞を選択的に効率よく死滅させる効果的な自殺遺伝子治療用遺伝子導入リポソームベクターの開発を目的として、14年度は(1)従来の方法であるリポソームとDNAを混合して複合体にする場合と、(2)新規な方法であるDNA封入リポソームにする場合の2種類のリポソーム調製を検討し、自殺(HSV-TK)遺伝子の発現を培養細胞で調べた結果、リポソームの正荷電(+)とDNAの負荷電(-)の比が3のときに、血清存在下でも高い発現が得られた。本年度は、これら3種のリポソームベクターを用いて担癌マウスに投与して遺伝子発現とその抗腫瘍効果を調べた。3種のベクターは、ステロールグルコシド(Sit-G)と糖型バイオサーファクタント(MEL)とのDNA複合体と、DNA封入リポソーム(DRV-L)である。まず、動物に対する毒性と免疫原性を担癌マウスに各リポソームとDNA複合体を投与して調べた結果、毒性は確認されず、また、腫瘍の縮小は見られなかったことから免疫原性も低く、免疫機能の活性化は確認できなかった。次ぎに、担癌マウスに各リポソームとDNA複合体または、DRV-Lを腫瘍内に投与し、24時間後に1日2回ガンシクロビルを腹腔内に投与し、これを9日間に2日おきに5回行い、腫瘍のサイズを測定した。その結果、Sit-Gリポソームを用いた群において、癌の縮小が観察された。以上より、Sit-Gリポソームはin vitroでのルシフェラーゼ発現の結果と同様に、in vivoにおいても自殺遺伝子を発現したことが推察された。今後は、遺伝子の発現よって生じたtkのリン酸化体を液体クロマトグラフィを用いて確認し、また、ガンシクロビルの投与間隔や投与量を培養細胞を用いて検討することによって、さらに治療効果の改善を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Shimizu, K.Tamagawa, N.Takahashi, K.Takayama, Y.Maitani: "Stability and antitumor effects of all-trans retinoic acid - loaded liposomes contained sterylglucoside mixture"Int.J.Pharm. 258(1-2). 45-53 (2003)
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[Publications] K.G.Lau, S.Chopra, Y.Maitani: "Entrapment of bleomycin in ultra-deformable liposomes"S.T.P.Pharm.Sci.. 13(4). 237-239 (2003)
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[Publications] X.Qi, M.H.Liu, H.Y.Liu, Y.Maitani, T.Nagai: "Topical econazole delivery using liposomal gel"S.T.P.Pharm.Sci.. 13(4). 241-245 (2003)
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[Publications] T.Nagamoto, Y.Hattori, K.Takayama, Y.Maitani: "Novel chitosan particles and chitosan-coated emulsions inducing immune response via intranasal vaccine delivery"Pharm.Res.. 21(4). 671-674 (2004)