2003 Fiscal Year Annual Research Report
非神経組織における神経栄養因子およびその受容体の発現・機能の検討
Project/Area Number |
14572058
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
根本 清光 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (90189366)
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Keywords | 神経栄養因子 / Trkファミリー / 低親和性神経栄養因子受容体 / 遺伝子発現 / 精巣 / 非神経組織 |
Research Abstract |
NGF、BDNF、NT-3を代表とする神経栄養因子は、最近、非神経組織でも重要な役割を果たすものと考えられるようになってきた。しかしながら、非神経組織での神経栄養因子とその受容体の発現機構の解明や機能解析は、神経組織に比べ未だ大きく立ち遅れている。本研究課題では、非神経細胞培養株や、ラット、マウスの非神経組織での神経栄養因子や受容体の発現様式を検討することなどにより、非神経組織での神経栄養因子の役割を追究することを目的とした。本年度は、出生後のラット精巣での神経栄養因子および受容体遺伝子の発現様式を検討することで、精巣機能発現に対する神経栄養因子関与の可能性を評価した。 生後2、7、10、15、21、40、60日のWistarラットから精巣を取り出し、神経栄養因子(NGF、BDNF、NT-4)、それら受容体(TrkA、TrkB、TrkC、LANR)および、精巣構成細胞特異的発現遺伝子(Leydig細胞;LH受容体、Sertoli細胞;FSH受容体、精母細胞;TH2B、精子細胞;TP1、TP2)の遺伝子発現をRT-PCR法で検討した。 FSH受容体は検討した期間全般でほぼ同一の発現が、LH受容体は7-10日で発現が低下した後60日まで上昇が、TH2Bは成長と共に発現上昇が、TP1、TP2は40、60日で発現が認められた。一方、NGFはLH受容体と類似の発現が、BDNF、NT-3、NT-4は生後徐々に発現が低下し、21日以降発現がほとんど認められなくなった。また、LANRは成長過程で発現が低下する傾向にあり、TrkBは逆に発現上昇、TrkAは15-21日で発現上昇を示した。 以上の結果から、精巣の成長過程で、神経栄養因子が何らか重要な役割を果たしていることが推定された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Degawa M, Namiki M, Yoshimoto N, Makino M, Iwamoto M, Nemoto K, Hashimoto, Y: "Constitutive expression of cytochrome P450 genes in newly established rat hepatic cell lines."J.Biochem.. 133(6). 825-831 (2003)
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[Publications] Kato Y, Haraguchi K, Yamazaki T, Ito Y, Miyajima S, Nemoto K, Koga N, Degawa M: "Effects of polychlorinated biphenyls, Kanechlor-500, on serum thyroid hormone levels in rats and mice."Toxicol.Sci.. 72(2). 235-241 (2003)
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[Publications] Sekimoto M, Tsuji T, Matsuzaki J, Chamoto, K, Koda T, Nemoto K, Degawa M, Nishimura S, Nishimura T: "Functional expression of the TrkC gene, encoding a high affinity receptor for NT-3, in antigen-specific T helper type 2(Th2)cells."Immunol.Lett.. 88(3). 221-226 (2003)