2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア型GPxIVによるアポトーシスシグナル抑制機構とその生理的意義の解明
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14572063
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中川 靖一 北里大学, 薬学部, 教授 (00119603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸村 知子 北里大学, 薬学部, 助手 (30337985)
今井 浩孝 北里大学, 薬学部, 講師 (50255361)
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Keywords | カルジオリピン / ミトコンドリア / 脂質過酸化 / ANT / シトクロームc / アポトーシス |
Research Abstract |
本年度はミトコンドリアのチャンネルの開閉を制御するANT活性に及ぼすミトコンドリア特異的リン脂質であるカルジオリピン(CL)のヒドロペルオキシド体(CLOOH)の影響を調べた。 (細胞レベルの検討)RBL2H3細胞を2デオキシグルコース(2DG)でアポトーシスを誘導すると、4時問でANT活性の著しい低下が見られた。この時間はミトコンドリアからのシトクロームcの遊離時間と一致した。(単離ミトコンドリアを用いた検討)ミトコンドリアにCLOOHをとりこませると、ANT活性の著しい減少が見られた。このような減少は他のリン脂質を含むリポソームでは見られなかった。(再構成リポソームでの検討)ラット脳からANTを精製し、再構成リポソームを作成した。ANT活性はリポソームに10%のCLを添加した場合にのみ見られた。CLOOHをCLの再構成リポソームに添加すると、CLOOH濃度依存的にANT活性は減少した。ANT阻害効果はレシチンのヒドロペルオキシドでは見られず,CLOOH特異的であった。(CLOOHのANT立体構造に及ぼす影響)ANTのアポトーシス応答部位の膜外、膜内に対するペプチド抗体A,B,Cの3種作成した。膜内のペプチドを認識する抗体BはCL再構成リポソームのANTとは結合しないが、CLOOHリポソームのANTとは結合した。このことはANTはCLOOHと相互作用することによって、構造変化が生じ、膜中のペプチドBが膜表面に現れてきたことを示す。 (今年度の成果)CLOOHはANTの立体構造を変化させ、活性を阻害する。その結果ミトコンドリアのチャンネルを開放し、cyt.cがミトコンドリアより遊離するものと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Imai H, Koumura T, Nakajima R, Nomura K, Nakagawa Y: "Protection from inactivation of the adenine nucleotide translocator during hypoglycemia-induced apoptosis by mitochondrial phospholipid hydroperoxide glutathione peroxidase"Biochem J. (in press).
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[Publications] Imai, H., Nakagawa, Y: "Biological significance of phospholipid hydroperoxide glutathione peroxidase (PHGPx, GPx4) in mammalian cells"Free Radic. Biol. Med.. 34(2). 145-169 (2003)
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[Publications] Imai, H., Suzuki, K., Ishizaka, K., (中5人省略), Nakagawa, Y: "Failure of the Expression of Phospholipid Hydroperoxide Glutathione Peroxidase in the Spermatozoa of Human Infertile Males"Biology of Reproduction. 64. 674-683 (2001)