2003 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア型GPxIVによるアポトーシスシグナル抑制機構とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
14572063
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中川 靖一 北里大学, 薬学部, 教授 (00119603)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸村 知子 北里大学, 薬学部, 助手 (30337985)
今井 浩孝 北里大学, 薬学部, 講師 (50255361)
|
Keywords | ミトコンドリア / 核小体 / EPA / AIF / シトクロームc / アポトーシス |
Research Abstract |
今年度はミトコンドリア型GPxIVによる高度不飽和脂肪酸によるアポトーシス抑制機構を検討した。また、ミトコンドリア型に加え、核に移行シグナルをもつGPxIVのクローニングおよび核障害によるアポトーシス抑制作用についても検討を行った。 ラット好塩基球系ガン細胞RBL2H3細胞をアラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)で処理をすると、アポトーシスが誘導されたが、リノール酸では誘導されなかった。EPAはミトコンドリアからのシトクロームc、アポトーシス誘導因子(AIF)の放出を起こした。アポトーシスはカスパーゼ阻害剤では抑制されず、AIFの核移行阻害剤で、抑制されたことから、高度不飽和脂肪酸によるアポトーシスはAIFによることが明らかとなった。アポトーシス誘導因子の遊離、およびアポトーシスはミトコンドリア型GPxIVを高発現することによって、完全に抑制された。GPxIVはEPAによるミトコンドリア内のハイドロパーオキサイドの産生を有意に抑制し、アポトーシスを抑制することが明らかとなった。 GPxIVのE1bエクソンに核移行シグナルが存在することが明らかとなった。この核移行シグナルと蛍光蛋白GFPの融合蛋白質遺伝子を細胞に導入すると、核小体に発現したことから、核移行シグナルをもつGPxIVは核小体に局在することが明らかとなった。核小体型GPxIVを高発現させた細胞株ではアクチノマイシンDやドキソルビシンによるアポトーシスを強く抑制した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Imai H, Koumura T, Nakajima R, Nomura K, Nakagawa Y.: "Protection from inactivation of the adenine nucleotide translocator during hypoglycemia-induced apoptosis by mitochondrial phospholipid hydroperoxide glutathione peroxidase."Biochem J. 371. 1-11 (2003)
-
[Publications] Nakamura, T., Imai, H., Tsunashima, N., Nakagawa, Y.: "Molecular cloning and functional expression of nucleolar phospholipid hydroperoxide glutathione peroxidase in mammalian cells"Biochemical and Biophysical Research Communications. 311. 139-148 (2003)
-
[Publications] Imai, H., Hirao, F., Sakamoto, T., Sekine, (中5人省略), Nakagawa, Y.: "Early embryonic lethality caused by targeted disruption of the mouse PHGPx gene."Biochemical and Biophysical Research Communications. 305. 278-286 (2003)