2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗HIV蛋白質、アクチノヒビンの活性発現必須領域の分子工学的手法による解析
Project/Area Number |
14572064
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
猪腰 淳嗣 北里大学, 薬学部, 講師 (30151640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 春美 北里大学, 薬学部, 助手 (90276163)
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Keywords | アクチノヒビン / 抗HIV / 組換えたん白質 / 糖鎖結合モジュール / 高マンノース型糖鎖 / 合胞体形成 |
Research Abstract |
放線菌が生産する抗HIV活性を有する新規たん白質actinohivin(AH)の分子構造と生物活性との関係を明らかにするため、既に確立した大腸菌により組換えAHを効率的に生産する技術をもちいて各種変異AHを作成しその合胞体形成阻害活性を調べた。AHは分子内に互いに相同性の高い3つのセグメントで構成されており、carbohydrate binding module 13に分類される糖結合たん白質である。AHはHIV表面たん白質gp120のhigh mannose型糖鎖に結合してHIVがCD4陽性T細胞に接着する過程を阻害するものと考えられている。ホモロジーモデリングソフトウェアFAMSを用いてAHのアミノ酸配列情報から立体構造を予測したところ、AHを構成する3つのセグメントはそれぞれが独立したリング状構造をもち、それらがクローバー葉状に配置していると推定された。これまでの研究で、AHを構成するセグメント単独では抗HIV活性を示さないが、C末側2つのセグメントからなる欠失変異体ではAHの約1/40の活性が認められた。そこでセグメント1の各種欠失変異体を作成し合胞体形成阻害活性を調べたところ、N末端より12アミノ酸まで欠失させても活性にはほとんど影響しないことがわかった。Carbohydrate binding module 13に分類されるたん白質にはセグメントのC末端にQXW配列が保存されており、糖鎖結合活性との関連が議論されている。そこで、AHの各セグメントのQXW配列中のグルタミンをアラニンに置換した変異体について合胞体形成阻害活性を測定したところ、いずれの変異体もAHの1/20以下に低下していた。このことはAHを構成する3つのセグメントは構造だけでなく活性の発現にも重要であることを示唆している。
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