2002 Fiscal Year Annual Research Report
植物エストロゲンの硫酸ならびにグルクロン酸抱合反応による代謝
Project/Area Number |
14572072
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
小倉 健一郎 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10185564)
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Keywords | 植物エストロゲン / ゲニステイン / ダイゼイン / 硫酸抱合 / グルクロン酸抱合 / 代謝 / 排泄 / 抱合反応 |
Research Abstract |
ヒト硫酸基転移酵素(SULT)の主な分子種のcDNAクローニングを行い、各分子種のcDNAを発現ベクターに組み込み各酵素タンパク質の発現系の構築を行った。すなわち、ヒト肝における主要な分子種であるSULT1A1、SULT1A3、SULT1E1およびSULT2A1をヒト肝cDNAライブラリーからPCRにより増幅・単離を行い、得られたcDNAの翻訳領域を大腸菌発現ベクターpET14bに組込み、発現プラスミドを構築した。なお、SULTの精製を容易にするために、N-末端に6残基の連続したヒスチジン残基をもつペプチド(ヒスチジンタグ)との融合タンパク質として大腸菌可溶性画分中に発現さた。発現させた組換えSULTは、固定相にニッケルイオンをキレート結合し、ヒスチジンタグに特異的に結合するProBond Resinを用いたカラムクロマトグラフィーによりそれぞれ均一なタンパク質として精製された。得られた各種精製SULT分子種を用いて、植物エストロゲンのダイゼインおよびゲニステインに対する抱合活性を測定したところ、全てのSULT分子種が両基質に対する抱合活性を示した。そこで、抱合反応の動力学的定数を求めた結果、Vmax/Km値から、SULT1A1およびSULT1E1がゲニステインおよびダイゼインに対してほぼ同程度の抱合活性を有することが明らかになった。 そこで、ヒト体内において女性ホルモンのエストロゲン類を抱合し、エストロゲン類の生体内濃度を調節していると言われるSULT1E1のβ-エストラジオール抱合活性に対するゲニステインの阻害効果を検討した。その結果、ゲニステインはβ-エストラジオールの抱合活性を非競合的に阻害することが明らかになり、ゲニステインは生体内においてβ-エストラジオールの体内濃度に影響を与える可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)