2003 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス細胞の取込みに伴うマクロファージの応答とその生体内での役割
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14572075
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
小林 芳郎 東邦大学, 理学部, 教授 (10134610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 直子 東邦大学, 理学部, 助教授 (80230978)
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Keywords | Con A誘導肝炎 / 好中球 / 抗Gr-1抗体 / マウス / IFN-γ |
Research Abstract |
昨年までの結果、抗Gr-1抗体処理によりCon A誘導肝炎が著しく抑制されることが判明した。一方Con A誘導肝炎ではさまざまなサイトカインの中で特にIFN-γが重要な役割を演じていることが知られている。そこで本年度はIFN-γ産生におけるGr-1陽性細胞の役割を調べた。 Con A投与1日前に抗Gr-1抗体200μgを腹腔内投与し、好中球(Gr-1強陽性)を一過的に枯渇したところ、Con A誘導肝炎に伴うIFN-γ産生は血中濃度でみても肝臓単核球の細胞内IFN-γ染色でみても著しく抑制された。一方アイソタイプが同じ対照抗体ではそのような効果は見られなかった。このとき肝臓単核球中の主なIFN-γ産生細胞はT細胞とNK細胞であり、Gr-1陽性細胞はほとんど関係していなかった。 Gr-1陽性細胞には好中球の他にリンパ球系樹状細胞、単球、記憶キラーT細胞などがあり、抗Gr-1抗体処理によってこれらの細胞も影響を受ける可能性がある。特に記憶キラーT細胞は抗CD3抗体によるIFN-γ産生の主要な細胞であるといわれている。しかし肝臓に存在する記憶キラーT細胞(Gr-1^<dull+>, CD8^+)はCon A投与により消失した。 そこで好中球がT細胞やNK細胞からのIFN-γ産生を助けている可能性について、ナイロンウールで精製した脾臓T細胞(NK細胞を含む)とCon A投与により腹腔に浸潤した好中球(単球を含む)を用いて検討した。その結果、脾臓細胞にCon Aを加えてIFN-γ産生が見られる条件下、ナイロンウール「T細胞」にCon Aを加えてもIFN-γ産生はほとんどみられないのに対し、ごくわずかの「好中球」を加えただけでIFN-γ産生が著しく回復した。 以上の結果から、抗Gr-1抗体処理は、肝臓に浸潤する好中球を枯渇することによりCon Aによって誘導されるIFN-γ産生を抑制し、結果として肝炎を著しく抑制したものと推定された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] KaTo, et al.: "U5A2-13, an antigen originally found on mouse NK-like T cells, is an early inducible cell surface antigen during lymphoid activation"Cell.Immunol. 221. 27-36 (2003)
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[Publications] Kurosaka, et al.: "Silent Cleanup of Very Early Apoptotic Cells by Macrophages"J.Immunol. 171. 4672-4679 (2003)
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[Publications] Matsumoto, et al.: "On-column refolding and characterization of soluble human interleukin-15 receptor -chain produced in Escherichia coli"Protein Expression & Purification. 31. 64-71 (2003)
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[Publications] Saito, et al.: "Generation of cloned calves and transgenic chimeric embryos from bovine embryonic stem-like cells"Biochem.Biophys.Res.Common.. 309. 104-113 (2003)
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[Publications] Kurosaka, et al.: "Activation of extracellular signal-regulated kinase 1/2 is involved in production of CXC-chemokine by macrophages during phagocytosis of late apoptotic cells"Biochem.Biophys.Res.Common.. 306. 1070-1074 (2003)
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[Publications] Takahashi, et al.: "Cytokine production in association with phagocytosis of apoptotic cells by immature dendritic cells"Cell.Immunol. 226. 105-115 (2003)