2002 Fiscal Year Annual Research Report
ブフォリン2の効率的膜透過機構の解明と細胞内薬物導入ベクターとしての応用
Project/Area Number |
14572091
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松崎 勝巳 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (00201773)
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Keywords | 抗菌性ペプチド / ブフォリン2 / 細胞膜透過 / 薬物キャリアー / ベクター / 細胞内移行 / ドラックデリバリー / 細胞毒性 |
Research Abstract |
膜透過性抗菌ペプチドであるアジアヒキガエル由来のブフォリン2を細胞内薬物導入ベクターとして利用する可能性を探るため,誘導体BF2d(TRSSRAGLQWPVGRVHRLLRKGGC-(Texas Red)-amide)を合成し,ヒト子宮頸癌細胞HeLaおよび繊維芽細胞TM12との相互作用を詳細に調べた.共焦点レーザー顕微鏡観察からBF2dは37℃において両細胞膜を透過し,核内にまで分布することが明らかとなった.また,低温(4℃)あるいは代謝阻害剤(アジ化ナトリウム)存在下でもこの細胞内移行は抑制されなかったことから,エネルギー非依存的な受動的機構によって膜を透過したと考えられる.これは,ブフォリン2が人工脂質膜を透過する事実(Biochemistry 39,8648(2000))と符合する.細胞内移行の時間依存性を調べたところ,15分程度で最大取り込みに達し,その後何らかの排出機構により,取り込みが徐々に減少することが明らかとなった.BF2dの細胞毒性をMTT assayで評価したところ,代表的抗菌ペプチドであるマガイニン2誘導体が5μM以上で毒性を示すのに対し,BF2dは100μMにおいてもほとんど毒性を示さないことが分かった.そこで,2価リンカーであるBS3を用いてBF2dとGreen Fluorescence Protein (GFP)を結合させ,HeLa細胞に加えたところ,このBF2d-GFP複合体の細胞内移行が観測されたことから,BF2dはTexas Redのような低分子化合物のみならず,蛋白質の細胞内導入ベクターとして有用であることが明らかとなった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kenta Takshima et al.: "Translocation of Analogues of the Antimicrobial Peptides Magainin and Buforin across Human Cell Membranes"J. Biol. Chem.. 278・2. 1310-1315 (2003)
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[Publications] Tomoya Tachi et al.: "Position-Dependent Hydrophobicity of the Antimicrobial Magainin Peptide Affects on the Mode of Peptide-Lipid Interactions and Selective Toxicity"Biochemistry. 41・34. 10723-10731 (2002)