2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14572112
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
遠藤 哲也 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (10133216)
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Keywords | クジラ(鯨) / イルカ / 水銀 / 食品汚染 / 中毒 / 表示 |
Research Abstract |
国内各地で販売されているクジラ肉(イルカ肉を含む)を収集し、総水銀とメチル水銀濃度を測定した。またDNA分析を行い、収集した鯨肉の鯨種の特定を行った。ヒゲクジラの赤身肉中の総水銀濃度は、1点を除き、魚介類の規制値である0.4ppm以下であつた。一方、歯クジラの赤身肉中の総水銀濃度はすべてが0.4ppmを越え、その多くが1ppm以上、最高では約80ppmであった。メチル水銀の濃度もすべて規制値の0.3ppmを越え、最高で約20ppmであった。歯クジラ食品の多食による健康被害が懸念される。 DNA分析の結果、9種類の歯クジラ(オキゴンドウ、スジイルカ、バンドウイルカ、ゴンドウクジラ、イワハイルカ、ハナゴンドウ、マダライルカ、ツチクジラ、イシイルカ)の販売が確認されたが、水銀汚染には明らかな種差が認められ、最も汚染度が高かったのはオキゴンドウ、次いでスジイルカで、イシイルカは最も低かった(上記の順)。 国内4ヶ所で捕獲されているツチクジラとゴンドウクジラの総水銀濃度を捕獲地で比較すると、南で捕獲されてクジラほど水銀汚染が高い傾向(地域差)が認められた。クジラが捕食する魚やイカの水銀濃度差、ひいては海水中のわずかな水銀濃度差を反映した結果と考えられる。 食品として販売されていた歯クジラ食品の水銀汚染度には明らかな種差と地域差が認められた。しかし、収集した鯨肉には表示の無いもの、不正表示のものが多く含まれていた。正しい表示が必要と思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ohya, K.: "Presymptomatic diagnosis of Wilson disease associated with a novel"Eur. J. Pediatrics. 161. 124-126 (2002)
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[Publications] Simmonds, M.P.: "Human health significance of organochlorine and mercury contamination in"J. Toxicol. Environ. Health A. 65. 1211-1235 (2002)
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[Publications] Sasaki, K.: "Effects of extract of Ginkgo biloha leaves and its constituents on"Life Sci.. 70. 1657-1667 (2002)
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[Publications] Endo, T.: "Mercury and selenium concentrations in the internal organs of"Sci. Total Environ.. 300. 15-22 (2002)
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[Publications] Endo, T.: "Effects of P-glycoprotein inhibitors on cadmium accumulation in cultured"Toxicol. Appl. Pharmacol.. 185. 166-171 (2002)
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[Publications] Endo, T.: "Renal Toxicity in rats after oral administration of mercury-contaminated"Arch. Environ. Contam. Toxicol.. (In press). (2003)