2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14572112
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
遠藤 哲也 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (10133216)
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Keywords | クジラ / イルカ / メチル水銀 / マグロ / 食品汚染 / 養殖 / PTWI |
Research Abstract |
水銀による汚染度が高い沖縄産の鯨肉と和歌山産の鯨肉を中心に水銀汚染調査を行った.また日本全国各地で捕獲されている天然および養殖マグロの水銀汚染調査も行った.沖縄産のバンドウイルカ,ゴンドウクジラ,スジイルカの赤身肉中の水銀濃度の平均は和歌山産のものより各々高く,南の海ほど海水中の水銀濃度が高いとする申請者らの仮説を支持する結果を得た.養殖クロマグロの水銀濃度は天然クロマグロより低く,これは販売されている魚体が小さいことが原因と思われる.養殖クロマグロの水銀濃度も南で養殖したマグロほど高い傾向を示した.天然のビンナガマグロも南で捕獲されたものほど高い傾向を示したが,キハダマグロでは一定の傾向が認められなかった. 水銀濃度の高い鯨肉(総水銀として81ppm,メチル水銀として13.4ppm)をラットに毎日0.5g/kgの割合で1週間経口投与し,その毒性を検討した.この投与量はメチル水銀のPTWIの29倍に相当する.一週間後のラット体内水銀分布は,赤血球中の水銀濃度は顕著な上昇を示したにもかかわらず,血漿中ではほとんど検出されず,これは無機水銀でなくメチル水銀による特徴的な分布パターンである.脳内の水銀濃度もわずかではあるが上昇し,長期間摂取すればメチル水銀中毒になることは明らかである.
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Research Products
(4 results)