2003 Fiscal Year Annual Research Report
食品工場から排出される粕物質の有効資源としての活用法の開発研究
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14572118
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
足立 昌子 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (90068338)
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Keywords | ビール粕 / 有機塩素化合物 / ベンゼン / 米ぬか / フタル酸ジ-n-ブチル / スフェロゾーム / 内分泌撹乱化学物質 / freundlichの等温吸着線 |
Research Abstract |
1.ビール粕による有機塩素化合物とベンゼンの除去に関する研究 ビールの製造工程から排出されてくるビール粕により、有機塩素化合物類の除去が行なわれるかどうかの検討を行った。ビール粕によるクロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン及びトリクロロエチレンの除去率を求めた結果、66.0〜92.3%となった。ビール粕の吸着性能を調べるために、等温吸着線を作成した。吸着剤として繁用されている粉末活性炭についても同様に等温吸着線を作成し、これらの吸着性能を比較した。すべての化合物共にビール粕の単位重量当たりの吸着量が、粉末活性炭のそれより上回り、吸着性能が、勝っていることが明らかとなった。pHの影響の検討結果から、pH1〜11の範囲で、除去が可能であった。次に除去機構の検討を行った。米ぬかによる有機塩素化合物類の除去が植物細胞中にある顆粒物質のスフェロゾームに取り込まれることにより行われることはすでに確認している。ビール粕による除去もスフェロゾームが関与していることが考えられるので、除去機構の検討のために、ビール粕からスフェロゾームを単離し、直接反応させることにより調べた結果、ビール粕によるクロロホルムの除去は、植物細胞内の顆粒物質であるスフェロゾームが関与していることが示唆された。 2.ぬかによるフタル酸ジ-n-ブチルの除去について 環境省が平成12年に内分泌撹乱化学物質検討会でリスク評価に取り組むべき物質に選定したプラスチックの可塑剤として大量に用いられているフタル酸エステル類のフタル酸ジ-n-ブチルについて米ぬかにより除去が可能かどうかの検討を行った。米ぬかによりフタル酸ジ-n-ブチルは90分の反応で除去率は平均91.1%となり除去されることが明らかになった。等温吸着線はFreundlichの式で表すことが出来た。検討したpH1〜11の範囲で除去が可能であり、特に酸性から中性にかけて高い除去率が得られた。反応時間5〜120分の除去率がほぼ一定となった。また、米ぬかによるフタル酸ジ-n-ブチルの除去は、スフェロゾームが関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Atsuko Adachi, Toshio Okano: "Generation of Cyanide Ion by the Reaction of Phenol with Nitrous Acid in Wastewater"Chemosphere. 51. 441-443 (2003)
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[Publications] Atsuko Adachi, Yuko Yatani, Toshio Okano: "Efficiency of Wheat Bran for Removal of Organochlorine Compounds and Benzene from Solution"Bull.Environ.Contam.Toxicol.. 71. 375-378 (2003)
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[Publications] Atsuko Adachi, Yuko Hamamoto, Toshio Okano: "Correlation between Organochlorine Compounds orBenzene Adsorption Efficiency and Number of Spherosomes from Different Plant"J.Health Sci.. 49(6). 509-513 (2003)