2002 Fiscal Year Annual Research Report
生命倫理に関する討論と生命倫理教育における生物学者の役割
Project/Area Number |
14572124
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
MACER Darryl 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (60240686)
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Keywords | 生命倫理教育 / 科学政策 / バイオテクノロジー / 意識調査 / 学校教育 / 学際的研究 / STS / 生命倫理 |
Research Abstract |
さまざまな職業の人を対象にしたインタビューやアンケート調査が日本で行われた。オープンコメントの分析方法が検討され、書き込み式のアンケートと、対面式のインタビューとの方法の比較が行われた。結果から、社会を構成するすべての人が、科学に関する議論に様々な見解をもって参加できることが示唆された。利益やリスク、道徳的容認度等に重点を置く人には、統計学的傾向があるように思われる。 生命倫理の教科書に、どのような内容を含めるか、というプロジェクトが、研究の第二段階として開始される予定である。これは、日本と諸外国における生物・社会科の教師や、生命倫理の専門家との対話を元に行われる。医療倫理への関心が依然として多いように思われるが、環境問題への関心も増加しているようだ。 国際メンタルマッピング計画がメイサーによって発案され、ネイチャーで取り上げられた。生命倫理研究のシステム化を進め、国際チームを編成することによって、ビヘイビオームを解明しようという研究の集積に努める。人間のアイディアの数は無限であるかのように思えるが、その実有限であるという1994年の発案をここに繰り返すものである。このメンタルマッピング計画は、1)私たちのアイディアが実際に有限であるか、私たち自身を理解するため、2)人と人の間でのアイディアの違い、生物種の違いにおけるアイディアの違いを検討するため、3)人民による人民のための生命倫理を目指し、意見の多様性を考慮に入れた政策作成の手助けとなるため、そして4)個人のメンタルマップが作成されたあかつきには、その個人が道徳的決断を下す際の手助けとなるため、という4点から発案された。 異なる分野の研究者が、様々な手法を用いることで、一元的ではない研究成果が期待できる。そのための枠組み作りと、人脈の構築がなされた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Macer, DRJ.: "Delays in implementing the lessons from empirical studies on bioethics to ethics committees in Asia"Notizie di Politeia. 18(67). 25-39 (2002)
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[Publications] Macer D., Inaba M., et al.: "Japanese attitudes toward Xenotransplantation"Public Understanding of Science. 11. 347-362 (2002)
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[Publications] Macer, DRJ.: "Finite or Infinite Mind?: A Proposal for an Integrative Mental Mapping Project"Eubios Journal of Asian and hiternational Bioethics. 12. 203-206 (2002)
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[Publications] Macer, DRJ.: "Patent or perish? An ethical approach to patenting human genes and proteins"The Pharmacogenomics Journal. 2. 361-366 (2002)
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[Publications] Kato M., Macer DRJ.: "How companies respond to bioethical issues"Journal of Commercial Biotechnology. 9. 153-162 (2003)