2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンメチル化酵素による遺伝子特異的転写制御機構の解明
Project/Area Number |
14572142
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60274528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 宣規 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60243961)
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Keywords | ヒストン / クロマチン / ヘテロクロマチン / メチル化 / エピジェネティクス / SUV39H1 / HP1 |
Research Abstract |
クロマチン構造の変化をもたらす因子は遺伝子発現制御の基盤を成すものと考えられる。近年、ヒストンH3のN末端(H3-K9)のメチル化酵素が同定され、メチル化ヒストンH3-K9特異的にヘテロクロマチンタンパクHP1が結合することが明らかになった。これはユークロマチン構造からヘテロクロマチン構造への転換機序の第一段階を示すものと考えられ注目される。しかしながら、ヒストンメチル化酵素をヌクレオソームにリクルートする因子や、その活性を制御する因子は同定されていない。 本研究の目的は、ヒストンメチル化酵素と結合し、遺伝子特異的なヘテロクロマチンへの転換をもたらす転写因子・転写共役因子あるいはヒストンメチル化酵素の活性を制御する因子を見出し、これまでとは異なるクロマチンレベルでの転写制御機構を明らかにすることである。 我々は、ヒストンメチル化酵素の一つであるSUV39H1の全長および機能ドメインであるSETドメインを含むC末部分と相互作用する分子を酵母2ハイブリッドスクリーニングにより同定した。その結果、1)SUV39H1のN末端部分とHP1分子のクロモシャドウドメインが直接的に相互作用し、それには、HP1分子のダイマー形成が必須であることを証明した。この結果により、ヘテロクロマチン形成・維持における、HP1との相互作用を介したSUV39H1の関与が直接的に示された。2)SUV39H1とRNAポリメーラーゼサブユニットRPB5が相互作用し、SUV39H1のヒストンH3メチル化活性を抑制すること、これによって、SUV39H1による転写抑制作用が解除されること、を見出した。RNAポリメラーゼの一サブユニットがヒストンメチル化酵素と相互作用し、その活性を制御するという分子機序は、転写制御の新しいモデルを提唱するものであり、今後、具体的にどの遺伝子の発現制御に関与するかを解明する必要があろう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Morishima Y, et al.: "The clinical significance of human leukocyte antigen (HLA) allele compatibility in patients receiving a marrow transplant from serologically HLA-A, HLA-B, and HLA-A-DR matched unrelated donors."Blood. 99. 4200-4206 (2002)
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[Publications] Yoshida K, et al.: "Evidence for shared recognition of peptide ligand by a diverse panel of nonobese diabetic(NOD)mice-derived, islet-specific, diabetogenic T cell clones."Int Immunol.. 14. 1439-1447 (2002)
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[Publications] Remboutsika E, et al.: "The bromodomain mediates TIFlalpha-nucleosome interactions."J.Biol.Chem.. 277. 50318-50325 (2002)
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[Publications] Yamamoto K, et al.: "Self-interaction of heterochromatin protein 1 is required for direct binding to histone methyltransferase, SUV39H1."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 301. 287-292 (2003)
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[Publications] Takada H, et al.: "Female agammaglobulinemia due to Bruton's tyrosine kinase deficiency caused by extremely skewed X chromosome inactivation."Blood. 103. 185-187 (2004)
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[Publications] Yamamoto K, et al.: "Polycomb group suppressor of zeste 12 links heterochromatin protein 1 alpha and enhancer of zeste 2."J.Biol.Chem.. 279. 401-406 (2004)