2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロダイアリシスによるカンナビノイド受容体内因性リガンドのin vivo解析
Project/Area Number |
14572151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福島 健 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (00272485)
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Keywords | アナンダミド / マイクロダイアリシス / ラット |
Research Abstract |
本研究では、カンナビノイド受容体の内因性リガンドであるアナンダミド(AN)および2-アラキドニルグリセロール(2-AG)を、マイクロダイアリシス(MD)により定量できる分析法の開発、ならびに本法を用いて薬物刺激時における組織中ANおよび2-AG濃度の変動を調べることを目的としている。現在までにMDにより、生体内ANおよび2-AG濃度の変動を調べた報告は少ない。これは、ANおよび2-AGともに低濃度で存在することに加えて、これらの内因性リガンドがMD膜へ非特異的に吸着するために回収率が低下し、両リガンドの検出がより困難になるためである。本年度は、MDにおけるANの回収率向上および蛍光誘導体化の最適化を行うために、以下の実験1、2を行った。 1.MDの透析液中に水溶性であるTrimethyl-β-cyclodextrin(TM-β-CD)を添加剤として加えることで、プロスタグランジン類の回収率の向上が報告されていたことから、0-5.0%TM-β-CDを含む透析液を用いて、ANの回収率をin vitroにて検討した結果、0.1%TM-β-CD含有時が最も高回収率であった。また、透析液の流速は6μL/minで行った場合に最大の回収量が得られた。 2.本研究では、ANを蛍光誘導体化後、HPLCにより分離定量を行う方法を採用している。そのため、ANの蛍光誘導体化の反応率を最大にすることが必要である。そこで、トリチウム標識ANを用いて、蛍光誘導体化の反応率について調べた結果、60℃、2時間の条件下では、ANの放射能ピークが完全に消失し、AN蛍光誘導体の放射性ピークが出現した。このことから、60℃、2時間の反応で、蛍光誘導体化反応が定量的に進行していることが確認された。 今後は、更なるANの回収率の向上を目指し、他の添加剤を検討する予定である。
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