2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロダイアリシスによるカンナビノイド受容体内因性リガンドのin vivo解析
Project/Area Number |
14572151
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
福島 健 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (00272485)
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Keywords | アナンダミド / DBD-COCl / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
本年度は、はじめにアナンダミド(AN)の最適な抽出条件を検討した。その結果、酢酸エチルとトルエンの混合溶媒(50/50)使用時に抽出効率が最も良好であった。液-液抽出時における抽出容器壁へのANの吸着を防ぐ目的で、界面活性剤の添加を検討したが、ANのピークは予想に反して小さくなった。界面活性剤の多くの水酸基が蛍光試薬DBD-COC1と反応し得るので、ANの反応効率が低くなったためと考えられた。そこで、マイクロダイアリシス(MD)を行う際に、ANの回収率を上昇させる目的で用いる2,3,6-tri-Ο-methyl-β-cyclodextrinを添加したところ、ANのピークは大きくなり、容器壁への吸着を抑制できたと考えられた。次いで、HPLCによるAN定量に必要な内部標準物質を検討した結果、n-ウンデシルアルコールが適していた。次に、蛍光光度計によりDBD-CO-ANの蛍光強度変化を調べたところ、アセトニトリル(CH_3CN)含量が高いほど、蛍光強度も著しく大きくなった。そこで、移動相中のCH_3CN含量を検討した。CH_3CN含量の増加に伴い、保持時間が短くなり、逆相カラムでの分離効率が低下したので、粒子径3μmのODSカラム(250 X 4.6mm, i.d.)を2本直列に連結することで分離能を向上させた。その結果、CH_3CN含量95%の移動相を使用した場合にもANの分離が達成され、検出感度が約4.5倍に向上したHPLC条件を確立できた(検出限界:6nM)。こうして最適化したHPLCを使用して、AN投与後のラット脳MDを行い、脳神経-グリア細胞間液中ANの検出を試みた。アミドヒドラーゼ阻害剤PMSF(30mg/kg)に加えてANトランスポーター阻害剤AM404(2mg/kg)を投与してから、AN(2.9mg/kg)を投与した結果、ANのピーク検出に成功した。
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