2002 Fiscal Year Annual Research Report
心筋局所エネルギー代謝を評価するβ酸化能測定法の開発およびその心疾患への応用
Project/Area Number |
14572153
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 俊博 新潟大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (70143039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉川 卓司 新潟大学, アイソトープ総合センター, 助手 (60282985)
内藤 眞 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30045786)
渡辺 賢一 新潟薬科大学, 臨床薬理学教室, 教授 (70175090)
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Keywords | 心筋 / 脂肪酸 / β酸化 / 二次元展開TLC / 貯蔵型代謝物 / β酸化型代謝物 / 心不全 |
Research Abstract |
『心筋はその生体維持のため恒常的な拍動運動を必要とし、そのため複数のエネルギー産生経路を確保しているが,好気的代謝における主たるエネルギー供給源は長鎖脂肪酸である。心筋はその長鎖脂肪酸からβ酸化によりエネルギーを獲得している。』この知見に基づき本研究ではβ酸化が阻害されるようにドラッグデザインされた[I-125]標識脂肪酸(9MPA:15-(p-[I-125]Iodophenyl)-9-methyl penta decanoic Acid)を用い,動物実験により心筋の機能をエネルギー獲得系の点から評価した。 実験は9MPAを動物に投与し,その心筋における2種の主代謝物--貯蔵型代謝物およびβ酸化型代謝物--を二次元展開薄層クロマトグラフィー(TLC)にて同一プレート上で分離する方法を検討し,続いて分離された分画の放射能量計測より各代謝物の定量解析を行い,得られたデータから種々の状況下(正常および心不全モデル)における心筋のエネルギー獲得機能の評価を行った。その結果TLCでの分離においては遊離脂肪酸(9MPA),貯蔵型代謝物(トリグリセリド(TG))およびβ酸化型代謝物(中間代謝物:9-(p-[I-125]Iodophenyl)-3-methylnonanoic Acid&最終代謝産物:(p-[I-125]Iodophenyl)acetic Acid)等を良好に分離することができた。更に各代謝物の定量解析の結果、心不全の心筋における貯蔵型代謝物の量は正常心筋に比べて著しく減少しているのに対し,β酸化型代謝物の量は同程度であることから、心不全の心筋では脂肪酸の貯蔵能力(TGプール)に著しい低下障害が起きていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高橋俊博: "TLCを用いた心筋における脂肪酸代謝物の分析-心不全モデル動物における治療前後の心筋局所エネルギー代謝の評価-"日本薬学会第122年会講演要旨集. Vol.3. 64 (2002)
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[Publications] 高橋俊博: "心不全モデル動物における心筋脂肪酸代謝物の分析"日本薬学会第123年会講演要旨集. Vol.3. 66 (2003)
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[Publications] 高橋俊博: "心筋における脂肪酸代謝物分析法の開発"新潟核医学懇話会記録集. 31(印刷中). (2003)