2003 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性動脈硬化病変におけるオステオポンチンの関与
Project/Area Number |
14572156
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Research Institution | HAMAMATSU UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
近藤 一直 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90270983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美詠子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30236012)
金森 雅夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90127019)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管内膜肥厚 / Epigallocathechin gallate |
Research Abstract |
動脈硬化性病変の一部をなす血管内膜肥厚について、オステオポンチンがどのような役割を果たしているかを解明する目的で計画した。その中で、最終的に緑茶成分Epigallocathechin gallate(EGCG)が内膜肥厚に対して抑制効果を表すか否かを検討する予定であったことから、本研究では健常マウス大腿動脈に作成した血管内膜肥厚がEGCGによって抑制されるかどうかを検討した。光増感反応法に基づいてICRマウス(5週齢、オス)大腿動脈の血管内皮細胞を傷害し、その後3週間にわたって形成される血管内膜肥厚の厚さを検討した。この方法で形成される肥厚は傷害血管に対する一種の修復反応と考えられており、増殖した血管平滑筋細胞の蓄積によって構成される。内皮傷害後3週間の飼育期間中、飲水中にEGCGを添加することによってEGCG3mg/kg〜30mg/kgを負荷したところ、予想に反して肥厚は抑制を認めなかった。この理由としては(1)負荷用量が不十分であったことと、(2)EGCGの血中濃度が十分に上昇していなかった可能性が考えられた。特に(2)の血中濃度が上昇しない点については、マウスにEGCGを連続投与した際、メカニズムは不明であるが血中濃度が高値に保たれているのは投与開始の4日目過ぎまでであり、その後8日目以降は低下して再び上昇しない、との報告があり同様の現象が起きた可能性が考えられた。これらの仮説を検証するためには、(1)EGCG用量を300mg/kgまで増大させて投与を行う、(2)EGCGの飲水中添加を内皮細胞傷害の5日目から開始し、細胞増殖が最も増大するとされる術後7〜10日目の期間中にEGCGの血中濃度が保たれる可能性を高める、というプロトコールを行う必要があると考察された。
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