2003 Fiscal Year Annual Research Report
シクロスポリンA腎毒性発現機序解明へのミクロアレイとミクロダイセクションの応用
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14572160
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三浦 克之 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00183624)
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Keywords | シクロスポリンA / 腎毒性 / 遺伝子発現 / 腎線維化 |
Research Abstract |
種々の炎症性サイトカインや細胞増殖関連遺伝子の発現調節に転写因子であるAP-1やNF-kBが重要であることが知られている。本年度はシクロスポリンA(CsA)による腎間質線維化機序におけるこれらの転写因子の重要性について検討を行った。さらに、その他の腎間質線維化におけるNF-kBの役割、ならびに治療薬の効果を検討した。シクロスポリン長期投与において腎間質の線維化とともに腎におけるAP-1やNF-kBのDNA結合活性が亢進していた。一方、マグネシウム補給により腎間質線維化を抑制すると、これらの転写因子の変動も抑制された。さらにレニン・アンジオテンシン系の阻害を行うとマグネシウム補給の効果より弱いものの、これらの転写因子の抑制が見られたことからシクロスポリンの腎間質障害においてAP-1やNF-kBの活性化が重要であることを明らかにした(文献1)。さらにシクロスポリンと同様、カルシニューリン阻害薬であるタクロリムスの長期投与時の遺伝子発現についてマイクロアレイを用いて2352遺伝子の発現を包括的に検討した。タクロリムス長期投与により腎間質の線維化に伴い、E-selectin、VCAM-1、fas antigen ligand、fas antigen、IL-6、G-CSF、u-PAなどNF-kBに依存する遺伝子発現の亢進が認められた。次にNF-kBの活性化が他の腎線維化モデルにおいても、同程度に存在するかについてNF-kB阻害作用を有するプロテアソーム阻害薬を用い、片側尿管閉塞ラットで検討したところ、同薬剤は本モデルにおける腎線維化を抑制した(文献2)。さらに腎亜全摘による慢性腎不全モデルにおける腎線維化が尿毒素物質吸着剤であるクレメジンにより軽減されること、さらに、その機序にNF-kBの活性化の抑制が関与することが明らかとなった(文献3)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Asai, T.Nakatani, S.Tamada, N.Kuwabara, S.Yamanaka et al.: "Activation of transcriptional factrors AP-1 and NF-kB in chronic cyclosporine A nephrotoxicity : rolein beneficial effects of magnesium supplementation"Transplantation. 75. 1040-1044 (2003)
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[Publications] K.Tashiro, S.Tamada, N.Kuwabara, T.Komiya, K.Takekida et al.: "Attenuation of renal fibrosis by proteasome inhibition in rat obstructive nephropathy : possible role of nuclear factor kB."Int J Mol Med. 12. 587-592 (2003)
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[Publications] T.Komiya, K.Miura, J.Tsukamoto, M.Okamura, S.Tamada et al.: "Possible involvement of nuclear factor-kB inhibition in the renal protective effects if oral adsorbent AST-120 in a rat model of chronic renal failure."Int J Mol Med. 13. 133-138 (2004)