2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子標的治療後の残存白血病細胞検出システムの開発に関する研究
Project/Area Number |
14572176
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
奈良 信雄 東京医科歯科大学, 医歯学教育システム研究センター, 教授 (00142258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 直己 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (50143582)
東田 修二 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80251510)
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 残存白血病細胞 / 遺伝子標的治療 |
Research Abstract |
平成15年度は平成14年度に続いて次のように研究を行った。 (1)白血病細胞培養 発症時と、冶療後に寛解導入された患者から末梢血液を採取し、有核細胞を比重遠心法で分離し、G-CSFとGM-CSFを添加した条件でメチルセルロース培養と液体培養を行った。メチルセルロース培養では主として白血病幹細胞の数の同定と増殖能を評価し、液体培養法で白血病幹細胞の自己再生能を評価するもので、冶療前後での白血病幹細胞の生物学的特徴を検討した。 (2)遺伝子検査 遺伝子検査では、急性骨髄性白血病に多く見られるキメラ遺伝子としてPML/RARA、AML1/MTG8、BCR/ABLの検出を液体培養系で増殖した白血病細胞についてRT-PCR法で検討し、寛解後に末消血液に出現している白血病細胞を検出した。さらに、白血病細胞増殖機構を解明するために、白血病細胞の自己再生とNotch蛋白およびNotchリガンド発現との相関を研究した。Notchリガントは、GM-CSFとの存在下でU937白血病細胞株の分化誘導、アポトーシス誘導を抑制する事実が確認された。 (3)冶療後の経過観察における評価 細胞培養での白血病幹細胞の増殖および自己再生能と、変異遺伝子検出について、冶療後の経過観察における患者予後との相関を検討した。冶療後に完全寛解に導入されていても、自己再生能の強い白血病幹細胞が残存していたり、わずかでもキメラ遺伝子の検出される患者では予後が不良であることが明らかにされた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tohda S, Sakano S, Ohsawa M, Murakami N, Nara N: "A novel cell line derived from de novo acute myeloblastic leukaemia with trilineage myelodysplasia which proliferates in response to a Notch ligand, Delta-1 protein."International Journal of Oncology. 22. 1073-1079 (2003)
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[Publications] Murata-Ohsawa M, Tohda S, Sakano S, Nara N: "The notch ligand, Delta-1, partially inhibits GM-CSF-induced differentiation and apoptosis along with reducing the cleavage of PARP in U937 cells."International Jouranl of Molecular Medicine. 13. 419-423 (2004)
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[Publications] 奈良 信雄: "BCR-ABLキメラ遺伝子定量"Medical Technology. 31. 817-818 (2003)
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[Publications] 奈良 信雄: "染色体分析、FISH法、SXY法"臨床病理レビュー特集号. 126. 124-130 (2003)
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[Publications] 奈良 信雄(訳): "ウィリアムズ血液学マニュアル"メディカル・サイエンス・インターナショナル社. 598 (2003)