2003 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化巣形成に関与するマクロファージ発現タンパク質のproteome解析
Project/Area Number |
14572179
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
藤井 秀比古 岐阜大学, 医学部, 助手 (50301213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 満 岐阜大学, 医学部, 教授 (10171315)
和田 久泰 岐阜大学, 医学部付属病院, 講師 (10283300)
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Keywords | プロテオミクス / マクロファージ / 動脈硬化 |
Research Abstract |
動脈硬化病変の形成においてマクロファージは種々の段階で重要な役割を担っている。マクロファージの活性化と分化形質の誘導は、粥状硬化巣の発生と進展および、プラークの脆弱化や破裂の機序として非常に重要である。今回の研究では、Lipopolysaccharide(LPS)刺激によるTRL(toll like receptor)を介したシグナル伝達に関わるタンパク分子の同定を目的として、LPS刺激ヒトマクロファージ細胞内タンパク質のproteome解析を試みた。2次元電気泳動法とonline2次元HPLC法により分離された試料をMS/MS分析することにより、LPS刺激マクロファージ細胞内の構成蛋白および発現蛋白をカタログ化できた。さらにcontrolとLPS刺激sampleとの比較が可能であった。そのなかで動脈硬化に関与すると考えられているタンパク質が同定された。 以下にその候補分子について記す。 AFBP(adipocyte fatty acid binding protein)は、従来脂肪細胞に発現しているタンパク質として分離同定されたが、単球/マクロファージ系の細胞にも発現していること、炎症の制御にかかわる分子である核内受容体PPARγにより調節されていることも最近報告され、動脈硬化の発症に関わる分子として注目されている。 MxAはInterferons(IFNs)に誘導されるGTPaseで、抗ウイルス作用をもちIFNs作用のマーカーとして注目されているが、SDS-PAGE分離gelでは、LPS刺激したmacrophage細胞よりMxA蛋白を同定した。選択した内部sequenceの同定では、LPS投与例は、いずれも同定されたが、control sampleからはすべて検出されなかった。ヒトmacrophage細胞においてLPS刺激によりMxAが発現することが証明された。 以上より本研究は、マクロファージの活性化と分化の新たな機序の解明に寄与したと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujigaki H et al.: "Genotyping of hepatitis C virus by melting curve analysis with SYBR green I"Ann Clin Biochem. (in press).
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[Publications] Iwasaki M et al.: "TNF-alpha contributes to the development of allergic rhinitis in mice"J Allergy Clin Immunol. 112(1). 134-140 (2003)
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[Publications] Fujii H et al.: "Immunohistochemical localization and mRNA expression of apolipoprotein A-I in rat spinal cord"J Atheroscier Thromb. 9(2). 93-98 (2002)