2002 Fiscal Year Annual Research Report
免疫不全患者における病院内発症の難治性血流感染症防止対策法の確立
Project/Area Number |
14572182
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯沼 由嗣 京都大学, 医学研究科, 講師 (90303627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 俊伸 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80283430)
工藤 豊一郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (80324622)
一山 智 京都大学, 医学研究科, 教授 (30223118)
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Keywords | 深在性真菌症 / 真菌血症 / 抗真菌薬感受性検査 / 新規抗真菌薬 / βグルカン / 中心静脈カテーテル / 悪性腫瘍 / clinical break point |
Research Abstract |
全国の国立大学附属病院と中央検査部をそなえた公立病院や民間病院156施設の参加の下、真菌血症サーベイランスを実施した。血液から分離されたCandida属を中心とした菌株収集およびNCCLS法に準拠した微量液体希釈法を用いた抗真菌薬感受性結果、臨床背景に関する情報集積を行った。現在までに421症例の菌株および臨床情報が集積された。 分離上位5菌種はC. albicans 175株(41.6%)、C. parapsilosis 91株(21.6%)、C. glabrata 80株(19.0%)、C. tropicalis 44株(10.5%)、C. krusei 11株(2.6%)であった。MIC50/MIC90はamphotericin B 0.13/0.25μg/mL、fluconazole 1/32、新規抗真菌薬であるvoriconazole、micafunginでは各々0.125/4、≦0.03/1であった。Fluconazole耐性率は9.3%であり、菌種別ではC. albicans 2.3%、C. parapsilosis 1.1%、C. glabrata 7.5%であった。背景因子は中心静脈カテーテル挿入85%、悪性腫瘍42%、消化器疾患35%、糖尿病17%の率が高かった。Fluconazole耐性菌は造血器腫瘍患者から検出される割合が有意に高かった(32% vs 7.4%)。 これらの結果は、適切な抗真菌薬選択のための重要な情報となると考えられる。引き続き菌種および感受性と患者背景や治療効果、予後との関連、βグルカン等の血清検査の有用性の解析を行っており、解析結果に基づいてclinical break point(案)の設定を試みる予定である。
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