2003 Fiscal Year Annual Research Report
キャピラリー電気泳動法を用いた脂質分析法の研究と病態解析
Project/Area Number |
14572184
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇治 義則 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (90203512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 紘明 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20185466)
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Keywords | キャピラリー電気泳動法 / 血清中脂質分析 / HDL / LDL / IDL / VLDL / カイロミクロン / リポ蛋白 |
Research Abstract |
咋年度に開発した分析法(本法)の基礎的、臨床的評価を行った。本法は現状では標準となるものを用いていないのでHDL,LDLは直接法による測定値,VLDLは本法の分画%に総コレステロールを乗じ,ポリアクリルアミド電気泳動法(リポフォー)によるリポ蛋白測定値との相対評価を行い,健常者では近似した値と良好な相関を得た。しかしながら、高脂血症患者では乖離する症例もみられ,リポフォーのミッドバンドやHDL,LDLコレステロール直接測定法ではVLDLを含んで測定している可能性を示唆するデータを得た。健常者の本法での分画値(mean±2SD,参考値)はfHDL19.5±5.2(%),iHDL55.5±6.3(%),sHDL25.0±7.0(%),fLDL60.4±9.0(%),iLDL25.7±6.1%,sLDL13.9±8.0(%),VLDL25.0±7.0(mg/dL)であった。また,健常者では本法のfHDL,TG高値者ではsHDL,VLDL,CK高値者ではiHDL,fLDL,ALT高値者ではiLDL分画にそれぞれ高値傾向がみられ,本法は疾患により測定値が異なることが示唆された。本法とアポ蛋白との関係はHDL,LDL,VLDLの大分類では従来から報告されている分布と相似したが、HDL,LDLそれぞれの3分画中の分布は均一ではないことが示唆された。現在、一般に用いられている指標であるリポフォー・MI(migration index)は本法のVLDL,LDL-コレステロールとアポ蛋白B比(LDL-C/apoB)はiHDL,iLDLとアポ蛋白A-Iとアポ蛋白Bの比(apoA-I/apoB)はfHDLと強い有意な相関が認められた。本法は既存の脂質分析法の問題点を解析できる新たな手法として、その有用性が示唆され、今後も、本法を用いた研究をさらに進める予定である。
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[Publications] 宇治義則: "キャピラリー電気泳動法によるリポ蛋白分画について"臨床化学. 32・1. 119-119 (2003)
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[Publications] 杉内博幸 ほか: "HDL,LDL-Cホモジニアスアッセイの問題点"臨床化学. 32・1. 125-126 (2003)
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[Publications] 真部正弘 ほか: "アガロース電気泳動法によるリポ蛋白の保存安定性の検討"日本臨床検査自動化学会誌. 28・4. 387-387 (2003)
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[Publications] 姫野真悟 ほか: "キャピラリー電気泳動装置を用いたリポ蛋白分析法"日本臨床化学会九州支部会誌. 14・1(印刷中). (2004)
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[Publications] 宇治義則(分担): "臨床検査項辞典"医歯薬出版. 1190 (2003)