2003 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの活性化を指標とした動脈硬化診断法の確立
Project/Area Number |
14572192
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
桝田 緑 関西医科大学, 医学部, 講師 (50173753)
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Keywords | 動脈硬化症 / マクロファージ / 可溶性FcγRIIIa^<Mφ> / 虚血性心疾患 / 高血圧 / 糖尿病 / 高脂血症 / 頸動脈エコー検査 |
Research Abstract |
動脈硬化発症において、マクロファージ(Mφ)は重要な役割を果たしている。Mφに発現しているIgGレセプターIII(FcγRIII:CD16)の可溶型,sFcγRIIIa^<Mφ>測定法を用いて、生体内におけるMφ活性の新しい測定法として動脈硬化診断への応用を検討した。 血漿sFcγRIIIa^<Mφ>は糖尿病併発例を除いた虚血性心疾患(CAD)症例では明らかな高値を示し、冠動脈の有意狭窄数が増すに従い増加した。LDL/HDLコレステロール比と正の相関を、HDLコレステロール値と負の相関を示したが、高感度CRPとの相関は認められなかった。intactあるいは血管痙攣性狭心症(VSA)ではsFcγRIIIa^<Mφ>の増加は認められなかった。特殊な動脈硬化形成過程を経る糖尿病併発例のCAD症例を比較検討したところ、健常者に比して高値を示したが、その増加は重度から軽度まで幅広く、正常血糖のCAD症例群に比しで有意に低いものであった。sFcγRIIIa^<Mφ>/総sFcγRIIIの比で比較したところ、糖尿病併発の有無による差は軽減された。しかし、sFcγRIIIa^<Mφ>低値群はその比においても低いものが多く、糖尿病併発例の動脈硬化形成過程ではMφの関与が比較的小さいこととともにsFcγRIIIsの排泄が亢進しているものと考えられた。 健常者では、血漿sFcγRIIIa^<Mφ>量は加齢とともに増加し、HDLコレステロール値と逆相関し、LDL/HDLコレステロール比と相関した。成人病検診症例で検討したところ、動脈硬化のリスクファクターが増すに従い増加した。総sFCγRIII量ではこのような差は認められなかった。最も明らかな影響が認められたのは加齢と喫煙であり、高血圧,糖尿病,高脂血症症例でも有意な増加が認められた。さらに、一部の患者において施行した頸動脈エコー検査の結果と有意に相関した。これらの結果は、動脈硬化症のごく初期よりMφが活生化されていることを示唆する所見と考えられ、SFcγRIIIa^<Mφ>が動脈硬化危険因子の指標の1つとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 桝田緑, 高橋伯夫: "動脈硬化症における可溶性FcγRIIIa^<Mφ>の増加"臨床検査. 46. 441-443 (2002)
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[Publications] 桝田緑, 高橋伯夫: "動脈硬化症におけるマクロファージ由来可溶性FcγRIIIa^<Mφ>の増加"臨床病理. 50. 502-505 (2002)
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[Publications] Midori Masuda, et al.: "Increse of soluble FcγRIIIa derived from NK cells and macrophages in plasma from patients with rheumatoid arthritis."J.Rheumatol.. 30. 1191-1197 (2003)
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[Publications] Midori Masuda, et al.: "Measurement of soluble FcγRIIIa derived from macrophages in plasma : Increase in patients with rheumatoid arthritis."Clin.Exp.Immunol.. 132. 477-484 (2003)
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[Publications] 桝田緑, 高橋伯夫: "マクロファージ由来可溶性FcγRIIIa^<Mφ>"臨床病理. 51. 1102-1105 (2003)