2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子解析技術を用いたディフィシル菌院内感染発生時における流行菌株の解明
Project/Area Number |
14572197
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
加藤 はる 国立感染症研究所, 細菌第二部, 主任研究官 (00273136)
|
Keywords | ディフィシル菌 / 院内感染 / シークエンス・タイピング |
Research Abstract |
Clostridium difficileの新しいタイピング法として、slpA遺伝子のシークエンスを解析することによるsequence typing(slpAST)の確立と、糞便検体からのダイレクト・タイピングへの応用を行った。 1)日本で最も頻繁に臨床分離されるPCR ribotype smz以外の10タイプの菌株においてslpA geneを増幅するためのcommon primer、slpAcom19-slpAcom22を設計し、sequence typing (slpAST)を確立した。 2)slpASTを糞便検体から抽出したDNAにおいて応用するために、nested PCRのためのプライマー設計を行った。Inner primer setのforward側はシークエンスが多様であり、4種類のプライマーを組み合わせる必要があった。このInner primer setのほかに、まったく異なるinner primer setを設計する必要のあるタイプの菌株も認められた。 3)抗菌薬関連下痢症と臨床診断された症例から採取された糞便検体50検体について調べた。50検体中26検体においてC.difficileが培養分離され、26検体すべてにおいて糞便検体から直接抽出したDNAにおけるslpASTが可能であった。分離菌株におけるsequence type (ST)と、糞便検体からのSTは一致した。 4)8検体においては、C.difficileが培養分離されなかったが糞便検体から抽出したDNAにおいてslpA遺伝子が検出され、タイピングが可能であった。 5)slpSTは、検体中の菌量が少ない検体や、培養に不適当である検体についても、C.difficileのダイレクト・タイピングが可能と考えられた。
|
Research Products
(3 results)