2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅痴呆性高齢者へのケアマネジメント効果指標の開発
Project/Area Number |
14572210
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
細谷 たき子 福井大学, 医学部, 教授 (80313740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 幸代 福井大学, 医学部, 助手 (20313760)
長谷川 美香 福井大学, 医学部, 講師 (90266669)
別所 遊子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (20190176)
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Keywords | 痴呆性高齢者 / ケアマネジメント / 成果 / 目標到達度 / 目標設定 / ケアマネジャー |
Research Abstract |
平成13-14年に実施されたケアマネジメント調査結果を分析し、在宅痴呆性高齢者へのケアマネジメント効果についての前向き調査のための変数を検討した。分析の結果は次のとおりであった。 1.9居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーが担当する利用者のうち、ケアマネジメントが比較的良好とケアマネジャーが判断した在宅痴呆性高齢者61名のケアマネジメント期間は9.7ヶ月(SD2.2,最短2ヶ月-最長11ヶ月)であり、ケアマネジメント目標の達成度を6ヶ月未満者(6名)と7ヶ月以上者(55名)を比較した結果、有意な差は認められなかった。 2.痴呆性高齢者の同一事例について22名の熟練ケアマネジャーから、必要と考えるアセスメント項目、ケアニーズ、について調査した結果、全員が必要と判断したケアニーズは、次のようであった。またそのケアニーズに該当する61名の痴呆性高齢者の目標達成状況については部分達成がもっとも多かった。 ・本人の心身状況と生活歴を評価した家庭環境(6名):部分達成(83%)未達成(17%) ・介護者の痴呆症状への理解(6名):部分達成(100%) ・大声・攻撃的な行動・妄想、幻覚、幻想への対応(1名):達成 ・尿失禁、便失禁、尿道感染のリスクへの対応(6名):達成(58%)部分達成(25%)未達成(17%) ・介護負担の軽減(37名):達成(41%)部分達成(51%)未達成(8%) 3.90%以上のケアマネージャーが必要と判断したのは「虐待予防」「脱水予防」「自尊心を尊重し残存する機能を刺激する」「短・長期介護計画の見通し」であった。 4.「日常生活の維持」のための目標設定が最も多く、「栄養」についての目標設定は1名のみであった。脱水の既往がある事例についての検討では、ほとんどのケアマネジャーが「脱水予防」をケアニーズとして意識した。しかし、61名の利用者のなかで痴呆性高齢者の栄養管理について目標設定がほとんどなかったのは、栄養管理のケア優先順位が低いか、あるいはケアマネジャーの栄養管理についての認識が低いためと考えられる。
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