2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のヘルスプロモーションを支援する介入研究-エンパワーメント指標の作成と評価-
Project/Area Number |
14572212
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
百瀬 由美子 信州大学, 医学部・保健学科, 助教授 (20262735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 茂代 長野県看護大学, 看護学科, 教授 (90295543)
大久保 功子 信州大学, 医学部・保健学科, 助教授 (20194102)
麻原 きよみ 信州大学, 医学部・保健学科, 教授 (80240795)
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Keywords | 高齢者 / ヘルスプロモーション / エンパワーメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者のヘルスプロモーションの実践に対する評価の一つとして、エンパワーメントに焦点をあてた主観的評価指標を作成し、評価方法を検討することである。 本年度は、主観的評価指標作成のための基礎資料を収集することが目的であった。研究計画に基づき虚弱高齢者を対象(松本市「すこやか健康教室」参加者:54名)として参加観察、インタビューおよび自記式質問紙により情報収集を行った。現在、そのデータを内容分析しているところである。この健康教室参加者の主観的評価から教室への参加により現段階では、「友人ができ交流の場が増えた」、「楽しく活動できる機会が持てた」、「健康に関する情報が得られる」、などの変化があったことが伺える要素が抽出されている。今後も分析を継続し、それらの結果と文献検討により後期高齢者のエンパワーメントの概念を明らかにし、評価指標を作成することが来年度の目的である。このことにより、介護予防を重視した高齢者のヘルスプロモーションの具体的実践として、エンパワーメントを促進するアプローチを実施した際の評価が可能になると考える。 また、外国の高齢者ヘルスプロモーションの実態を知るために、日本の高齢者保健・福祉システムと比較的類似しているオーストラリアの現状を視察した。視察先は、クイーン・エリザベス老人医療福祉センター、ロイヤルリハビリテーションセンター、ロイヤルノーザンショアー病院とコミュニティヘルスサービスセンター、リタイアメントビレツジなどである。各施設において高齢者の健康段階や社会的背景に応じたヘルスケア、ヘルスプロモーションが体系化され実践されており、また評価システムもある程度確立されており、本研究の将来的な課題を達成するための参考資料を得ることができた。日本の社会的、文化的特徴を踏まえわが国の高齢者のヘルスプロモーション実践への介入に向けた検討に有用であると考える。
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