2004 Fiscal Year Annual Research Report
臨床における中堅ナースの看護診断能力の構造とその要因
Project/Area Number |
14572217
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
田中 小百合 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80324573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 ゆかり 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50320940)
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Keywords | 看護診断能力 / 中堅ナース / 発話思考法 / Line-Of-Reasoning(推論の流れ) |
Research Abstract |
【目的と方法】中堅ナースの看護診断能力の発達過程と実務経験年数の関連をみる目的で、発話思考法を用いて看護診断能力に関連した認識過程を3尺度事例でLine-Of-Reasoning(以下、LOR)の構成要素の出現頻度から捉え、実務経験5年〜6年、7年〜9年、10年〜13年群間で比較した。 【分析方法】テープレコーダーに録音した発話内容を逐語録に転記し、5名のパネリストがNarayan & Corcoran-Perryのプロトコル分析枠組みを用いて、LORの6構成要素(Triggering cues(以下T),Domain concept(以下D),Intermediate conclusion(以下IC),Intermediate action(以下IA),Conclusion(以下C),Argument(以下A)を抽出し、その結果をANOVAを用いて解析した。 【結果】研究参加者:関西地区の2国立大学病院と四国地区の1国立大学病院、1公立総合病院で看護の実務に就いているナースで研究目的に賛同し、ボランティアで研究に協力することを承諾した者26名(全員女性、経験年数:5〜6年=12名、7〜9年=6名、10〜13年=8名)。3尺度事例全体におけるLORの構成要素の出現頻度:構成要素T(F_<2,387>(.01)=5.81)、D(F_<2,387>(.01)=17.10)、IC(F_<2,387>(.01)=18.74)、IA(F_<2,387>(.01)=17.53)、C(F_<2,387>(.01)=14.41)に経験年数における主効果がみられた。そしてHSD検定の結果、5%水準で構成要素Tで5-6年群と10-13年群に、構成要素Dで5-6年群と7-9年群、5-6年群と10-13年群に、構成要素ICで5-6年群と7-9年群、5-6年群と10-13年群、7-9年群と10-13年群に、構成要素IAで5-6年群と7-9年群、7-9年群と10-13年群に、構成要素Cで5-6年群と10-13年群、7-9年群と10-13年群でそれぞれ平均値に有意差がみられた。 【考察】本研究の結果は中堅ナースの看護診断能力の発達は経験年数と関連があることを示唆していると思われる。
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