2004 Fiscal Year Annual Research Report
基礎看護教育における医療事故防止の為の支援介入に関する研究
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14572223
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
兵藤 好美 岡山大学, 医学部, 助教授 (90151555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 敏子 岡山大学, 医学部, 助教授 (60202892)
田中 共子 岡山大学, 文学部, 教授 (40227153)
深井 喜代子 岡山大学, 医学部, 教授 (70104809)
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Keywords | ヒヤリハット体験 / 他の用件の割り込み / 時間的切迫 / 思い込み / 内的要因-外的要因軸 / 情報入力阻害-誤認軸 / エラーパターン尺度 |
Research Abstract |
1.新人Nsに関するヒヤリハット状況 新人Nsを対象とし、就職後約半年間に体験したヒヤリハット事例について、ヒューマンエラー関連要因に関する遭遇の有無・内容・危険関連度に関する構造的面接調査を行った。そして医療現場で遭遇するヒューマンエラー発生関連要因遭遇の有無をもとに、数量化III類を用いた分析を行った。I軸(上下)については内的要因-外的要因軸,II軸(左右)については情報入力阻害-誤認軸と命名した。なおヒューマンエラー関連要因は、大きく3つのグループ(情報入力阻害関係,内的要因関係,外的・誤認関係)に分類された。看護は正確さ・緻密さ及び慎重さが要求されており、そのためには集中できる環境や時間的余裕が不可欠であるが、分析の結果から医療現場では「他の用件の割り込み」に気を奪われたり、「時間切迫で慌てていて気がつかない」といった判断・決定のミスに繋がる体験が多く、業務的要求との矛盾があることが明らかになった。またNsが事前説明、行為の確認を常に心がけていても、相手は知っている,確認するまでもないといった「思い込み」によるトラブルも発生しておりストレスフルな状況に置かれていることが分かった。 上記の量的研究に加えて、半構造的面接で得られたデータについてグランディド・セオリを用いてまとめ、質的側面から新人Nsのヒヤリハット体験に関する概念生成へのモデル化を試みた。 2.エラーパターン尺度の作成 危険予知と学生の日常行動のエラーパターンを調べるために、Lapseによる従来の調査項目を使用しようとしたが、質問項目が現在の学生の行動に当てはまらない項目が多くあることが判った(時代的要因,地域的要因)。そこで新たに学生を対象としたエラーパターン尺度を作成した。学生を対象としたエラー行動についての自由記述を基に因子分析を行った結果4因子に分かれ、その因子は操作ミス,取り違え忘却,脱落ミスと命名した。信頼性・妥当性の検討も行い、学生や新人Nsのエラーパターン尺度として使用することとなった。H17年度の日本心理学会で発表予定。
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Research Products
(1 results)