2003 Fiscal Year Annual Research Report
看護職の職務満足に影響を及ぼすリーダーシップ行動の改善プログラムの開発
Project/Area Number |
14572228
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
高谷 嘉枝 高知大学, 医学部, 教授 (60304119)
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Keywords | 組織風土 / 看護職 / リーダーシップ / 中間管理者 |
Research Abstract |
研究目標(1)中間管理者がとるリーダーシップ行動を分析し実践現場でとる効果的なリーダーシップ行動を明らかにするについては、Kouzes & Posner (1988)の開発した尺度をもとに検討した。因子分析の結果6因子が抽出され、「信頼・支援」「ビジョンへのチャレンジ」「ビジョン実現への実行」「仕事の責任」「仕事成果の称賛」「情報・知識による達成」(累積寄与率66.42%)と命名した。Kouzes & Posnerの尺度は、米国で信頼性・妥当性が検証されているが、本調査では文化の異なる日本でのリーダーシップの特徴が示された。研究目標(3)職務満足に関する実態と質問項目の抽出については、これまでの先行研究からYamashita (1995)が開発した尺度が、信頼性・妥当性が検討されており、また対象が看護職であり本調査に適していることから採用した。研究目標(4)効果的なリーダーシップ行動・組織風土・看護スタッフにおける職務満足との関連検証については、質問紙調査を行った。対象は、研究参加に同意の得られた医療機関で同意があった看護師1489名とした。有効回答数は4医療機関の看護職609名(有効回答数41.0%)であった。「実践現場の組織風土」は本調査の因子分析の結果、8因子「人間関係・支持」「看護業務の遂行」「職場環境」「師長の役割・責任」「看護部への一体感」「自己実現」「上司・医師との関係」「同僚との評価」(累積寄与率37.01%)が、「看護職の職務満足」は7因子が抽出され、「人間関係」「看護ケア」「処遇」「看護師の自信・満足」「看護職へのコミットメント」「看護師・医師の関係」「昇進・自己啓発の機会」(累積寄与率42.96%)と各々命名した。各尺度は、信頼性・妥当性が認められ、これらの関連について重回帰分析を用いて検討した結果、最も影響がみられたのは組織風土であり、中でも「師長の役割・責任」とリーダーシップ行動との関連、「自己実現」と職務満足との関連が明らかであった。他の分析は実施中である。
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